真実が明らかに? 米下院議長、2021年1月の議会議事堂映像公開

2023/11/30
更新: 2023/11/30

米国のマイク・ジョンソン下院議長は最近、2021年1月6日に連邦議会議事堂で起きた事件の4万時間を超える映像を公開すると決定した。マイク・ターナー下院情報特別委員長は、このことは事件の真相を明らかにする上で称賛に値する「重要な」一歩だと述べている。

米国NBCの「ミート・ザ・プレス」で、連邦議会議事堂警察が警備を危うくすると懸念を示したにもかかわらず、ジョンソン議長が映像公開することを決断したのは責任あるものなのかと尋ねられた。ターナー氏は「米国人が真実を知ることは重要だ」と答えた。

ターナー氏は、「これは信じられないほどの誤情報と事実と異なる情報で満ちている。自分で映像を見れば、当日何が起こったのかが理解できるだろう」と綴った。

ターナー氏は「何が起こったかについて、我々は党派的な記述に頼っている。今、米国国民は見ることができるのだ」と述べながら、1月6日の委員会の民主党議員と一部の共和党員は真実を歪曲するために映像を「都合よく選んだ」と指摘した。

「国民が真実を見ることができるようになったため、議長がこの一歩を踏み出したことは重要だと思う」

ジョンソン氏は数週間前、これまで未公開だった1月6日の議会議事堂警察の監視カメラ映像を直ちに公開し、今後数か月で徐々に公開していくと発表し、波紋を呼んだ。

映像は、2021年1月6日、2020年の大統領選挙が盗まれたと見て憤慨した抗議者たちが、警察と争った末に議事堂に侵入した際の議事堂内の様子を撮影したものだ。

ただし、一部の映像では、警察官の横をふらふら歩く人々が映っており、警察官は無関心でそのまま歩かせているように見える。

1月6日の映像

ジョンソン議長は声明の中で、1月6日に議会議事堂で撮影された4万4千時間の映像のうち、4万時間の映像をオンラインで公開すると宣言した。

同氏によれば、安全保障上の機密情報が含まれているため、映像の約5パーセントは公開しない。さらに、報復を防ぐために、映像に映った市民の顔はぼかされている。

「この決定によって、何百万人もの米国人、刑事被告人、公益団体、マスコミは、あの日何が起こったのかを、少数の政府関係者の解釈に頼るのではなく、自分の目で確かめることができるようになる」とジョンソン氏は声明で述べた。

同氏は「真実と透明性が極めて重要だ」と語った。

共和党のバリー・ラウダーミルク下院議員が率いる行政監視小委員会は、1月6日の映像の一部をオンライン視聴室に掲載した。

ラウダーミルク氏は声明で、「我々の調査の目的は、2021年1月6日に議会議事堂で何が起こったのかについて、米国民に透明性を提供すること。これには当日のすべての公式映像が含まれる。我々は調査を実施しながら、映像を読み込みして、検証を続けていく」と述べた。

議会幹部補佐官はエポックタイムズ紙に応じ、さらに多くの映像が「順次」公開サイトに追加される予定だと語った。

一般市民や1月6日の被告たちから監視カメラの映像の公開を求める圧力が強まる中、下院議長が映像公開を決定した。

ケビン・マッカーシー前議長は今年初め、1月6日の映像を公開すると約束したが、一般市民が直接アクセスできるようにしていなかった。

今年初め、「エポックタイムズ」紙は1月5日と6日の1700台近いカメラの議事堂警察のデータベースにアクセスした。議会議事堂に設置されたビデオ端末の調査に基づき、同紙は特別レポート「1月6日のテープ」で使用された数十の個別クリップを要求し、提供された。

トランプ氏も称賛

ターナー氏と同じく、トランプ前大統領もジョンソン議長の映像公開を称賛した。

トランプ氏は、ジョンソン氏が映像の公開を開始する決断は、「勇気と不屈の精神」を示したと述べた。

トランプ氏は、トゥルース・ソーシャル(Truth Social)に「マイク・ジョンソン下院議長が勇気と不屈の精神をもって、1月6日の映像をすべて公開したことを祝福する! これは当日に何が起こったのかを明らかにする」と投稿した。

トランプ前大統領の政敵たちは、1月6日の出来事を「反乱」として描こうとしている。2021年4月、民主党が支配する下院は、「連邦政府に対する暴力を扇動した」として、前大統領に対する弾劾訴追案を単独で承認した。

つい最近、トランプ氏の反対派が複数の州で、憲法修正第14条を理由に、トランプ氏の大統領選出馬資格を剝奪する法的取り組みを開始し、トランプ前大統領を1月6日の事件の扇動者として仕立て上げようとしている。

トランプ氏の出馬資格剝奪を巡る訴訟はコロラド州、ミシガン州、ミネソタ州などで起きた。原告らは前大統領は議事堂侵入事件が起きる前の1月6日に熱弁をふるい、「反乱」に加担したと主張した。

トランプ大統領は1月6日の演説で、デモ参加者は「平和的に、愛国的に声を上げるべきだ」と述べた。トランプ氏の反対者は、「我々は地獄のように戦う」「地獄のように戦わなければ、もう国はない」という発言を、暴力を呼びかけるものとして捉えている。

トランプ前大統領は何度も暴力的な抗議行動を否定し、「地獄のように戦う」という発言は比喩的な意味だと主張してきた。