TSMCが日本で第3工場設立を検討 3ナノチップ生産の可能性

2023/11/22
更新: 2023/11/22

台湾の半導体大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、近年、海外での事業拡大に積極的だ。報道では日本に第3の工場を設立し、3ナノメートル(3nm)のチップの生産を検討しているとされている。

ロイター通信によると、複数の関係者の話を引用して、TSMCはサプライチェーンのパートナーに対し、日本の熊本県に「TSMC Fab-23 Phase 3」という名の第3 工場を建設する可能性を示している。この動きは、日本を世界的なチップ製造の主要拠点に変える可能性を持つとされる。

3ナノメートルプロセスは、最先端チップ製造技術である。この報道が事実であれば、日本にとって大きな利益となる可能性がある。今年5月、日本の岸田文雄首相は世界の半導体企業トップとの会合を行い、10月には半導体産業への補助金支援を発表している。

TSMCのほか、岸田政権は米国のマイクロン・テクノロジー、韓国のサムスン電子、台湾の力晶積成電子製造(力積電)に日本への投資を促しており、国内スタートアップ企業Rapidus(ラピダス)が北海道で2ナノメートルチップ工場の建設を支援している。

「ジャパンタイムズ」によると、日本政府は国内の半導体エコシステム構築に向けて、ワシントンよりも迅速に動いている。政府は既に企業に補助金を提供し、国内へのさらなる半導体企業の投資を促している。報道によれば、3ナノメートルプロセスの工場には約200億ドル(約2兆9781億円)の投資が必要で、日本政府は通常、このような施設の約半分のコストを負担するとされる。

TSMCは声明で、「当社のグローバル製造戦略は、顧客の需要、ビジネスチャンス、運営効率、政府の支援レベル、経済的コストを考慮して決定されている。顧客の需要に応え、半導体技術の長期的な構造的成長に対応するため、必要な投資を継続している。現在、日本での第2工場設立の可能性を評価中であり、これ以上の情報は公開していない」と述べている。

TSMCの日本第2工場は現在評価段階にある。第2工場では6ナノメートルチップの生産を予定しており、2024年12月の稼働開始を目指している。
 

曾子衡