発熱児童で小児科が満杯 外来は毎日3千人「新型コロナか?」の疑い止まず=中国

2023/11/21
更新: 2023/11/21

現在、中国の北部を中心に、発熱や肺炎をともなう呼吸器系の感染症が、大流行している。「新型コロナか、あるいはコロナの後遺症ではないか」と疑う声が根強く、市民の間で不安が広がっている。

感染症の患者は子供が多い。北京市や天津市の児童病院(小児科)では昼夜を問わず、発熱児童で大混雑していることを示す動画がSNSに拡散されている。

数か月前の「十数倍の患者」が来院

「天津北辰医院」で撮影されたとされる動画のなかには、診察に来る子供とその保護者で、ごった返すロビーの様子が映し出されていた。

動画の撮影者によると、その時点で救急外来の整理札はすでに3千番まで発行されていたが、呼び出されていたのはまだ2千番台だという。そのため撮影者は「診察を受けたい患者は、この病院ではなく、他の診療所を選んだほうがいい」と提案していた。

また現地のネットユーザーによると、天津市児童医院の外来は「数か月前の十数倍の患者が来院している。感染症の子供たちは発熱がひどく、しかも発症を繰り返している」という。

天津に限らず、北京にある「首都医科大学付属北京児童医院」のロビーも、子供とその親でごった返しの状態になっていることを示す動画が流出している。

「北京児童医院」では、採血を待つ長蛇の列ができていることを示す動画もネットに投稿されている。動画撮影者の番号札は1887番であるのに対し、呼び出されていたのはまだ1541番だった。

つまりその時点では、まだ300人以上が順番待ちをしていることになる。そのため、撮影者は「この病院に来る予定の人は、自分で折り畳みイスを持ってきたほうがいいよ。点滴するにも、座る場所さえないから」と話している。

「生徒の半数が感染」学校も臨時休校に

北京や天津のほかにも、遼寧省の大連市や瀋陽市などの児童病院も大混雑する動画も投稿されている。大連市では、多くの小中学校でクラスの生徒の3分の1、あるいは半数ほどが感染しており、臨時休校になっている学校も出ているという。

どこかの小学校で、教室内には半数しか生徒がいないこと示す画像もネットに流出している。

感染症の流行をめぐり、ネット上では多くのネットユーザーが、感染した自身や子供の病状が深刻だと訴える投稿であふれている。

 

画像(左)は混雑する北京の病院。画像(右)は感染流行で授業に出席している生徒が半数に満たないクラス。(SNSより)

 

「中共ウイルス」に酷似した症状

現在、中国で流行っている感染症の波の主な症状は咳、発熱、喉の痛み、嘔吐などであり、中共ウイルス(新型コロナ)と非常によく似ている。

しかし当局は、これを新型コロナとは認めず「マイコプラズマ肺炎(中国語:支原体肺炎)」あるいは通常のA型インフルエンザと主張している。

これに対して、民間では「本当は新型コロナに違いない。当局が、また呼び名を変えただけだ」と疑う声は根強い。

いっぽう、米国のウイルス学の専門家で、米陸軍研究所のウイルス学科実験室主任も歴任した林暁旭博士は「これは、やはり新型コロナの変異株である可能性が高い」と分析している。

また医療関係者の間では「中国における各種感染症の流行は、過去に中共ウイルスを感染したために免疫系統が損なわれたことと関係があるか、もしくは質の悪い国産ワクチン(中国製)が引き金になっているのではないか」と疑う声も広がっている。

 

(北京の児童医院の様子)

(天津の児童医院の様子)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
関連特集: 中国