中国の国営メディアによると、李克強前首相が27日未明、上海の病院で心臓病発作のため死去した。68歳だった。静養のため、上海に滞在していたという。生前に習近平氏との意見の食い違いが確認されており、国内外で議論を呼んでいる。
報道によると、李克強氏は26日に心臓病発作を起こし、救命措置を行ったものの、27日午前0時10分(日本時間同日1時10分)に死亡した。
李克強氏の首相としての公式活動は3月5日午前の北京市庁舎での演説だった。公開された動画では、習近平氏が演説を終えた李克強氏と数秒間の短い握手を交わし、すぐに歩き去ったことがわかる。
首相在任中、「中国では6億人が月収1000元以下」と発言し、「中国は全面的に貧困を脱した」と宣言する習近平氏との意見の相違が浮き彫りになった。また、今年8月末に甘粛省の敦煌莫高窟を視察した際のビデオが公開され、インターネット上で一時期話題となった。
中国共産党第20回大会では、習近平氏の権力がさらに強化され、李克強氏が属する「共産党青年団」出身者は冷遇された。李克強氏と汪洋氏(中国人民政治協商会議主席)は常務委員を退き、胡春華副首相は政治局入りを果たせなかった。さらに、胡錦濤前総書記は閉会式でセキュリティスタッフによって退場させられた。
*情報を更新しました。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。