国土安全とサイバーセキュリティのアナリスト、ポール・ローゼンツヴァイグ氏によると、ますます高まる圧力の下で、米国のテクノロジー企業は米国の国家安全保障を確保するか、中国市場で利益を最大化するかの選択を迫られるという。
10月23日、新唐人テレビ(NTD)の『Capitol Report』のインタビューで、ローゼンツヴァイグ氏は米国の政策により、安全保障上のリスクを軽減するため、中国共産党(中共)からの「デカップリング(切り離し)」を迫られるケースが増えていると語った。
ローゼンツヴァイグ氏は、かつて国土安全保障省で政策を担当した副補佐官を務め、現在もサイバーセキュリティとテクノロジー問題についての助言と報告を続けている。
彼は、米中関係の変化に適応するため、米国企業はますます頻繁にビジネスモデルを見直さなければならなくなるだろうと話した。
「私は、今後ますます多くの米国企業が、旗を選ばなければならない、つまりどちらかを選ばなければならないと考えるようになると思う。それは原則のためではなく、法律がますますデカップリングを要求してくるからだ」
「そして、米国のハイテク企業のほとんどは、このことにまだ気づいていない。彼らはまだ、自分たちが何をすべきかのリスク評価をしておらず、中国にどれだけ深く根ざしているかを理解しておらず、ある出来事によって切り離さざるを得なくなったときに、自分たちがどれだけの損害を被ることになるのかをまだ知らないのだ」
ローゼンツヴァイグ氏は、米国の経済制裁が続くと、米国企業と中国のパートナーとの間に不和が生じたり、中国の人権問題や台中間の軍事衝突に対する懸念が高まったりする可能性があると述べた。
台湾は独立国家として自治しているが、中共は台湾を自国の領土の一部とみなしており、武力統一を含む台湾との「統一」を求める動きを強めている。
米国は中国共産党と台湾の関係について比較的曖昧な政策をとっているが、定期的に台湾への武器移転を許可しており、台湾が攻撃された場合には台湾のために介入する可能性がある。
この国土安全保障アナリストは、米国企業が中国での利益を最大化したいと考えることを非難するつもりはないと主張したが、中国でのビジネス利益を追求することは、最終的には「原則的に悪いことであるだけでなく、経済的にも有害」であることを証明することになると警告した。
バイデン氏、AIチップ規制を強化
昨年、米商務省は、軍事用途や人工知能(AI)モデルの開発に使用される可能性のある特定の先端半導体を、米国の個人や企業が中国に輸出することを制限することを目的とした規則を導入した。2022年の規則では、毎秒600ギガバイト(GB/sec)以上のデータ転送速度を持つコンピュータ部品の輸出を規制している。
新規則の施行に伴い、米国のテクノロジーカンパニー、NVIDIA(エヌビディア)は中国の顧客に代替案としてA800コンピュータチップを提供し始めた。これは、600ギガバイト/秒以下のデータ転送速度の基準を下回るが、強力な計算能力を発揮する。
NVIDIAの広報担当者は昨年ロイターに、「第3四半期に生産が開始されたNVIDIA A800 GPUは、中国市場向けのNVIDIA A100 GPUに代わるもう一つのGPUであり、A800は、米国政府の輸出規制に関する明示的なテスト基準に適合しており、この要件を下回ることが可能であり、この要件を上回るようにプログラムすることはできない」と述べた。
先週、米国商務省はハイエンド・コンピューター・チップに関する規制の改定を発表し、ジーナ・レモンド商務長官は「我々の規制から逃れる道を断つ」と述べた。レモンド長官は、回避策や技術の変化に対応するため、輸出規制は毎年更新する必要があるかもしれないと述べた。
ローゼンツヴァイグ氏は輸出規制の強化を歓迎したが、米国の技術輸出がなくても中共がAI技術を拡大し続ける他の方法について懸念を示した。
バイデン政権の政策の価値は、それがどれだけ実行され、施行されるかにかかっている、とローゼンツヴァイグ氏は言う。
彼は「率直に言って、マイクロソフト、アマゾン・ウェブ・サービシズ、オラクル、メタなど、いまだに中国に深く根ざしている米国のテクノロジー企業と対話し、協調して行動する必要があることを伝えるには、政府と連邦議会が協調して努力する必要があるだろう。しかし、彼らがこの問題に関して効果的な行動を取れるかどうかについては、私は中程度に楽観視している」と述べた。
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