中国の江蘇省宿遷市周辺で19日午後、巨大な竜巻が立て続けに発生し、少なくとも10人が死亡したことがわかった。現在、天候は回復しており、復旧作業が進められている。
中国メディアによると、この日の午後5時と8時頃、2つの竜巻が発生し、最大瞬間風速41.8メートルを観測した。この影響で10人が死亡し、8人が負傷、約7000人が被災したという。しかし、中国当局の隠蔽体質から、実際の死傷者数は「公表数よりもっと多いのではないか」と見られている。
SNSには猛威を振るう竜巻の様子を捉えた映像が多数投稿されており、画面のなかには「竜巻だ!マジかよ。怖い!」などと絶叫する市民の声や、「嵐が去った後」の壊滅的な被害を受けて変わり果てた街の姿があった。
黒い竜巻が、まるで口笛をでも吹いているように渦を巻き、一瞬にして空と大地を暗くさせる光景。その直後、大きく揺れる街路樹、吹き飛ばされる屋根、空に舞う様々な物体。車は軽く横転し、垂れ下がった電線のせいか、あちらこちらで火の手が上がっている。もう亡くなっているのか、地面にうつぶせになったままの人は動く気配もない。巨大竜巻の前で、全てが無力であった。
現地のある市民は、「私は17階に住んでいるが、その時、空全体が真っ暗になったよ。こんな竜巻は見たことがない」と語った。
江蘇省では先月13日に、今回とは別の都市で竜巻が発生し、2人が死亡している。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。