ワクチンをめぐって 米FDAをロバート・マローン博士が非難「自分たちの規則を無視するならず者だ」

追加接種を承認した医薬品局は「ならず者」、mRNAワクチン技術のパイオニアが非難

2023/09/21
更新: 2023/09/20

最近、米国のウイルス学者であるロバート・マローン博士が、米国食品医薬品局(FDA)を 「ならず者」と非難した。

11日、マローン博士はEpochTVの番組「クロスロード」に出演。新型コロナワクチンの追加接種をめぐり、有効性と安全性を裏付ける臨床試験のデータが限られているにもかかわらず、最新のワクチンを推奨する決定を下した連邦政府に対し、自分たちの規則や規制を放棄していると指摘した。

「FDAは、もはや自分たちの規則や規制に縛られているとは感じていない。そう結論づけざるを得ない。要するに、彼らはならず者になった」

有効性と安全性を裏付けるヒト臨床試験のデータが欠如していたのだから、FDAは最新のワクチンを承認できないはずだったと、マローン博士は指摘した。

「マウスから検出された中和抗体とその交差反応性から、相関する予防効果があるという前提でFDAは新たなワクチンを認可したが、それは嘘だ。SARS-CoV-2に対する予防効果の相関関係は確立されていない」

エポックタイムズはFDAの職員にコメントを求めたが、記事作成までに返答はなかった。

11日、FDAはモデルナとファイザーの最新のmRNAワクチンを、ヒトを対象とした臨床試験のデータ分析することなく承認した。

FDAは声明の中で、ワクチン製造業者からの 「製造データ」と「XBB.1.5の成分を含む最新の製剤に関する非臨床免疫反応データ」の評価によって承認が裏付けられたと述べている。

さらにFDAは、従来バージョンのワクチンのリスク・ベネフィットはよく理解されていると主張した上で、最新のワクチンは製造工程が類似していることから、「現在流行している新型コロナの変異株を予防するのに適している」とした。

12日、米国疾病予防管理センター(CDC)は独自に勧告を行い、生後6か月以上のほぼすべての米国人に新たなワクチンの接種を促した。

この新たなワクチンは、新型コロナウイルス感染症を引き起こすウイルス「SARS-CoV-2」のオミクロン変異株の派生型「XBB.1.5」を標的としている。しかし、CDCによれば、すでにこの変異株は、「EG.5」などの急速に進化する新たな変異株によってほとんど取って代わられているという。

FDAは新たなワクチンを審査するうえで試験データを考慮しなかったが、CDCが勧告を出す前にはモデルナの試験データを考慮していた。

その試験では、50人がこの新たなワクチンを接種し、感染を防ぐとされるレベルの中和抗体がワクチンによって誘導されたことが確認された。50人のうち1人はワクチン関連の副反応を起こした。

2022年10月15日フロリダ州タンパにて、フロリダ州のジョセフ・ラダポ公衆衛生局長(York Du/The Epoch Times)

「赤信号だらけ」

フロリダ州のジョセフ・ラダポ公衆衛生局長は、最近の記者会見で、この新たな予防接種は見合わせた方がよいと述べた。

ラダポ医師は、ワクチンの有効性が時間の経過とともにマイナスに転じることを指摘した研究論文を引き合いに出し、「赤信号だらけだ」と呼びかけた。

「予防接種が人々に有益であることを示すヒトを対象とした臨床試験はないし、人々にとって安全であることを示す臨床試験もない」

彼はまた、従来バージョンの新型コロナワクチンが心筋炎などの心疾患と関連していることを指摘した。

ラダポ医師の発言についてコメントを求められたマローン博士は、ワクチンの有効性がマイナスに転じていることを示す研究論文が増えていると指摘し、「明確なベネフィットはない、あるいはベネフィットがマイナスに転じており、リスクは明らかだ」と述べた。

「ほとんどの人が接種している」から安全かつ有効か?

CDCのマンディ・コーエン所長は、現行のワクチンの有効性が薄れていることを認めつつも、13日付のニューヨーク・タイムズ紙への寄稿文で、最新の新型コロナワクチンを「ウイルスと闘う上で最も効果的なツールの1つ 」と呼んだ。

「新型コロナワクチンは、ウイルスによる重大な害を防ぐ能力を身体に与える最善策だ。幅広い研究と実際の経験から、安全かつ効果があることが示されています。それに、ほとんどの米国人が接種している」

コーエン氏は、ワクチンは2021年の導入以前に大規模な臨床試験が行われて以来、安全性が厳しく監視されてきたと述べ、「公開されている臨床試験データが少ない」といった批判があることには触れなかった。

モデルナ製の新型コロナ2価ワクチンのバイアルを手にする薬剤師 (Ringo Chiu/AFP via Getty Images)

こうしたFDAとCDCの動きに、多くの医師が疑問を呈している。

FDAのアドバイザーであるポール・オフィット医師は、英国のデイリー・メール紙に対し、「すでに予防接種を受けている若くて健康な人々に新たな予防接種は必要ない」と述べた。

「75歳以上の高齢者など、重症化する危険性が最も高い人たちに追加接種するのがベストだ。そうでない健康な若い人たちへの接種は、ローリスク・ローリターンの戦略だ」

ラダポ医師は記者会見で、何をすべきかを教えてくれる学識のある人たちに頼るのではなく、真実を呼びかけ合いながら決断を下すよう人々に求めた。

「良いとは思えないし、同意すべきではないと思うことに同意するよう説得されたら、それはサインだ。そこに耳を傾けてみてほしい。あなたがそうすることを願っている」

今月初め、カリフォルニア州の刑務所の被収容者を対象とした研究によって、新型コロナワクチンの追加接種を新たに受けた人は、新型コロナワクチンを全く接種していない人よりも、新型コロナウイルス感染症に罹患する可能性が高いことが明らかになった。

この研究では、今年1~7月までの州内33か所の刑務所のデータが分析され、2価ワクチンの追加接種を受けたグループの感染率は3.2%で、未接種者の感染率2.7%を上回った。

CDCは、先月末に発表した評価報告の中で、新たな変異株「BA.2.86」は予防接種を受けた人でも感染する可能性があることを認めた。

「この変異株には変異が多いため、最近の他の変異株と比較して、ワクチン接種やこれまでの感染によって獲得した既存の免疫を大きく回避することが懸念される」

エポックタイムズのベテラン調査記者。EPOCH TVの番組「クロスロード」で司会を務める。超限戦、非対称戦、ハイブリッド戦、破壊工作の専門家として知られており、中国共産党や破壊工作などに関する10年以上にわたる調査・研究を通して、世界が直面する脅威と政治情勢に対する独自の見識を持つ。
The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。