これも地方役人の特権か? 幼児を轢き殺しても不起訴処分、ネットは非難殺到=中国 江西

2023/09/06
更新: 2023/09/05

中国共産党の幹部がもつ「常識はずれの特権」は至る所で見られる。江西省南昌市安義県「自然資源局」の張江疆局長による「交通事故」が最近、中国のネットで注目を集めている。

この張江疆という地方役人は昨年7月、集合住宅の敷地内で、携帯電話で通話しながら自動車を運転し、三輪車で遊んでいた男児(4歳)を轢いた。男児は死亡した。

現地の公安局は「事故の全責任は張氏にある」と認定しているにも関わらず、今年3月、現地検察は「交通肇事罪(日本の危険運転致死傷罪に相当)」容疑で立件したものの、「軽微な犯罪」であるうえ「本人が自首した」などの理由で、なんと不起訴処分にしたのだ。

張氏は安義県「自然資源局」の党書記や局長の職を解かれ、男児の遺族に110万元(約2,216万円)を払った。遺族からも「了解を得ている」というが、幼児の命が失われたのだ。それを「軽微な犯罪」で不起訴とは、あまりに理不尽は司法ではないか。

NTD新唐人テレビの取材に応じた中国の法学専門家は、中国の現行刑法から見ても「今回のケースは危険運転致死傷罪ではなく、過失致死傷罪(3年~7年の禁固刑)に該当する」と指摘している。

張氏の不起訴決定が報じられると、中国のSNS上では激しい議論が巻き起こった。

「納得できない」「たかが小さな県の局長だ。こんな地方役人であっても、これほどの特権があるのか。恐ろし過ぎる」「だからみんな権力を求めるのか」といった、怒りとともに、嘆きの声も多く寄せられている。

事故が起きた集合住宅。(中国SNSより)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。