中国共産党の幹部がもつ「常識はずれの特権」は至る所で見られる。江西省南昌市安義県「自然資源局」の張江疆局長による「交通事故」が最近、中国のネットで注目を集めている。
この張江疆という地方役人は昨年7月、集合住宅の敷地内で、携帯電話で通話しながら自動車を運転し、三輪車で遊んでいた男児(4歳)を轢いた。男児は死亡した。
現地の公安局は「事故の全責任は張氏にある」と認定しているにも関わらず、今年3月、現地検察は「交通肇事罪(日本の危険運転致死傷罪に相当)」容疑で立件したものの、「軽微な犯罪」であるうえ「本人が自首した」などの理由で、なんと不起訴処分にしたのだ。
張氏は安義県「自然資源局」の党書記や局長の職を解かれ、男児の遺族に110万元(約2,216万円)を払った。遺族からも「了解を得ている」というが、幼児の命が失われたのだ。それを「軽微な犯罪」で不起訴とは、あまりに理不尽は司法ではないか。
NTD新唐人テレビの取材に応じた中国の法学専門家は、中国の現行刑法から見ても「今回のケースは危険運転致死傷罪ではなく、過失致死傷罪(3年~7年の禁固刑)に該当する」と指摘している。
張氏の不起訴決定が報じられると、中国のSNS上では激しい議論が巻き起こった。
「納得できない」「たかが小さな県の局長だ。こんな地方役人であっても、これほどの特権があるのか。恐ろし過ぎる」「だからみんな権力を求めるのか」といった、怒りとともに、嘆きの声も多く寄せられている。
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