オピニオン クィア理論に隠されたダークな真実:小児性愛、近親相姦、獣姦

LGBTQの「Q」に隠された不気味な理論(下)

2023/08/23
更新: 2023/08/24

性を抑圧する者

学術界では、小児性愛を精神障害ではなく、性的指向の1つとして分類する動きが強まっている。

2021年11月、トランス男性であるアリン・ウォーカー教授が、小児性愛者に関する議論で、「未成年者に興味を持つ人」を意味する「MAP」という用語を使用し、話題となった。

プロスタジア財団とのインタビューで、ウォーカー氏は、「子供と性交渉をしたいという衝動に従わない人々に言及する際には、『小児性愛者』より『MAP』を使う方が差別的にならない」と語った。

今年5月には、トランスジェンダーのミネソタ州議員である民主党のリー・フィンク州下院議員が州法の重要な部分を削除したことを受け、批評家らは「小児性愛を性的指向として認識する道を開いた」と指摘している。

ミネソタ州の人権法から削除された文は以下の通り。「性的指向には、成人による子供への肉体的または性的な愛着は含まれない」

ケンブリッジ大学で中世史の博士号を取得し、豪州のキリスト教擁護団体「オーストラリア・クリスチャン・ロビー」で研究ディレクターを務めるエリザベス・テイラー氏も、エポックタイムズに対し、クィア理論は規範を破壊することを目指していると述べた。

同氏は2016年以来、クィア理論について研究、執筆してきた。

彼女は、豪州の「セーフ・スクールズ・プログラム」の下でクィア理論が現れた際に警鐘を鳴らした。それは、米国の学校にジェンダー・イデオロギーが侵入してきたのと類似の動きだった。

テイラー氏によると、クィア理論やジェンダー・イデオロギーの下、子供たちは「性的指向は調整可能かつ流動的」と教わるという。

「クィア理論によれば、異性愛者は自らの性的指向を抑圧しているが、彼らに権力があるために多様な性を持つ人々を抑圧する者となっているという」とテイラー氏は述べた。

「グルーミングと戦うゲイ」の創設者ジェイミー・ミッシェル氏(左)と2016年以来クィア理論を研究している豪州のエリザベス・テイラー教授(右)。 (Courtesy of Jaimee Michell, Courtesy of Elisabeth Taylor)

嘘を真実と入れ替えなければ

クィア理論は、部分的にはフェミニズム運動から発展してきたとテイラー氏は指摘している。両者のつながりは、性とジェンダーの政治活動家として知られるゲイル・ルービン氏が1984年に執筆したエッセイ「性を考える(Thinking Sex)」に遡るという。

エッセイの中でルビン氏は、未成年者との性行為が非難されていることについて持論を展開している。

「1950年代の共産主義者や同性愛者のように、少年愛者もかなり非難されており、彼らの性的指向はおろか、市民的自由を擁護する人々を見つけることさえ難しい」と同氏は述べている。

性的価値の階層において、子供を持つ既婚の異性愛者カップルがトップに位置し、それに続くのは未婚の異性愛者カップルで、その次に安定した長期間の同性愛者カップルが来て、最下層にトランスセクシャル、サディスト・マゾヒスト、小児性愛者がいるとルビン氏は述べている。

テイラー氏は「どうして小児性愛を社会的に有益なものとして主張できる人がいるのか、疑問に思うだろう。私たちは、重要な場所にある嘘を真実と入れ替えなければならない」と述べた。

同氏によれば、クィア理論は小児性愛者の隠れ蓑となっており、その始まりは1940年代に遡ることができるという。

テイラー氏は、1956年に亡くなった米国の性科学者アルフレッド・キンゼイに言及した。キンゼイが1947年にインディアナ大学に創設した研究所は、現在では「性・性差・再生産のためのキンゼイ研究所」として知られている。

テイラー氏によると、キンゼイは性を、食事に対する消化機能と同じような、刺激に応答する身体機能と見なしていたという。

性にまつわる社会的ないし心理的意味合いは文化の産物であるとキンゼイは見ており、それを今日の学者たちも「社会的に構築されたもの」と呼んでいるという。

「キンゼイは、『我々は異国風の食べ物を好む人を刑務所に閉じ込めたりしないのだから、型にはまらない性的嗜好を持つ人をどうして刑務所に閉じ込めたりするだろうか』と論じていた」とテイラー氏は述べた。

また、キンゼイは、子供は生まれつき性的な存在であり、性的応答が可能であると見ていたという。

テイラー氏は、キンゼイの研究には、子供が性的な喜びを経験できると確信する小児性愛者からの意見も含まれていたと述べた。

キンゼイの1948年の著書『人間に於ける男性の性行為』では、性交における「思春期前の少年196人に対する成人の観察者」について述べている。

書籍には、チャート上で5歳と記載された子供たちが「うめき声、すすり泣き、またはもっと激しい泣き声をあげ、(特に幼い子供たちは)時にたくさん涙を流した」と記されている。

別の箇所では、少年たちは「相手から離れようと戦った」が、「その状況から明らかな喜びを得ていた」と書かれている。

デリック・ジェンセン氏によれば、クィア理論は、子供に対する性的暴行は、性的関係に対する罪悪感を子供に抱かせる社会に原因があると主張するという。 (Eva Hambach/AFP via Getty Images)

「この理論は、社会が性に関するあらゆる潜在的可能性に汚名を着せているとして非難している」とテイラー氏は述べた。

「クィア理論は、子供と大人の性行為を社会が受け入れれば、それによって子供がトラウマを負うことはないと主張している」

またテイラー氏によると、親が幼い子供を性に関する知識や性被害から守りたいと考えることは、「恐怖症」と見なされるという。

「弱い立場にいる人をトラウマを生む性被害から守るためには道徳的な境界線が必要だが、イデオロギーによってそれを完全に破壊することが正当化されている」

「もし誰が男で誰が女か分からなければ、同性愛者と異性愛者を区別することもできず、その結果生じるジェンダーの混乱によって規範が曖昧になり、全ての性的指向がクィアなものとなる」とテイラー氏は述べた。

性を刺激に応答する身体機能と見なした性科学者アルフレッド・キンゼイ。 (Hulton Archive/Getty Images)

クィア・アナーキー

クィア理論に対して批判的な発言をしたため左派から嫌われた環境活動家デリック・ジェンセン氏は、今の米国におけるクィア理論は、かつて人類社会で数十年に渡り行われたロボトミー手術と同様に、歴史における「狂気」と見なされることになると予測している。

「子供たちが手術で身体の健康な部位を切除し、性的な健全さや生殖能力を損ないうることを、なぜ社会が祝福したのか、将来世代は不思議に思うだろう」

「これは完全なる残虐行為だと思う。このイデオロギーに立ち向かう唯一の方法は、『ジェンダーを肯定するケア』や好みの代名詞といった言葉を使用に反対の声を上げることだ」

「女性のためにこの問題に対して立ち上がったことで、私のキャリアは破壊された。しかし、誰かができる限り真実を伝え続けることが重要だ」とジェンセン氏は述べた。

同氏は、クィア理論が規則や規範の存在しないアナーキー(無政府状態、無秩序)を提唱していると指摘した。

実際、クィア理論はドイツの哲学者ゲオルク・ヘーゲルと関係した極左の政治理論であると、文化評論家のジェームズ・リンゼイ氏は指摘している。ヘーゲルは『共産党宣言』著者であるカール・マルクスに影響を与えた。

エリザベス・テイラー氏によると、クィア理論やジェンダー・イデオロギーの下、子供たちは「性的指向は調整可能かつ流動的」と教わるという。(John Fredricks/The Epoch Times)

「いずれ性を通り越して、どんな規格外の発想でも受け入れられるようになる」とリンゼイ氏は述べる。

「止める余地など何処にもない。全てを飲み込む怪物のようなものになるのを、私たちは目の当たりにするだろう」

リンゼイ氏は、クィア理論には2つの目標があると述べている。「正常」という定義が存在しない所まで全てを解体することと、虐待者に力を与えることだという。

「もしクィア理論家たちが成功すれば、我々の社会は何でもありになるだろう」

「都合のいいことに、彼ら以外は誰も、何が正しくて何が間違っているかを定義できない。一人一人が、自分自身を基準とするようになる」とリンゼイ氏は述べた。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
テキサス州を拠点に活動する米国のエポックタイムズ記者。州政治や選挙不正、失われつつある伝統的価値観の問題に焦点を当て執筆を行う。テキサス州、フロリダ州、コネチカット州の新聞社で調査記者として活動した経歴を持つ。1990年代には、プロテスタント系のセクト「ブランチ・ダビディアン」の指導者デビッド・コレシュについて暴いた一連の記事「罪深きメシア(The Sinful Messiah)」が、ピューリッツァー賞の調査報道部門で最終候補に選出された。