オピニオン クィア理論に隠されたダークな真実:小児性愛、近親相姦、獣姦

LGBTQの「Q」に隠された不気味な理論(上)

2023/08/22
更新: 2023/08/24

昨今の保守派は、現在進行形の文化戦争の一環として、LGBTQの「T」、すなわちトランスジェンダーの問題に焦点を当てている。

しかし、小児性愛、近親相姦、獣姦の擁護や伝統的な性規範の破壊といった、より極端な理論を提げる「Q」に対しては注意が疎かになっていると言える。

「Q」はクィア(Queer=風変わりな、奇妙な)の頭文字をとった言葉。クィア理論は1970年代に人気を集め始めた性に関するイデオロギーで、その創始者や提唱者らは小児性愛を正当化し、さらに極端な考え方を支持してきた。

保守派の焦点がトランスジェンダー・イデオロギーに向く一方で、クィア運動は静かに拡大を続けている。米国の教員組合や全米家族計画連盟、そして国連などの国際組織は、今や幼稚園児を対象とした性教育を提唱している。

またクィア理論家らは、性的同意に関する法律が、乳幼児を含むすべての子供に対して廃止されるべきだと考えている。

米国では、ジェンダー・イデオロギーやトランスジェンダリズム(性自認至上主義)をめぐる保守派とリベラル派の対立が前面に出ているが、水面下で広がりを見せるこのクィア理論に対しては、識者らが政治的な党派性を超えて警鐘を鳴らしている。

『The Marxification of Education(仮訳:教育のマルクス化)』の著者で文化評論家のジェームズ・リンゼイ氏は、エポックタイムズに対し、クィア理論がゲイの権利運動を乗っ取っていることを指摘している。

クィア理論は、社会政策を破壊しようとするものであり、小児性愛、近親相姦、獣姦などの禁忌とされる性的行動に制限はいらないと考えている。

文化評論家のジェームズ・リンゼイ氏は、クィア理論には2つの目標があると述べている。「正常」という定義が存在しない所まで全てを解体することと、虐待者に力を与えることだという。 (Brendon Fallon/The Epoch Times)

リンゼイ氏は、ミシェル・フーコーをクィア理論の創始者とみなしている。フランスのポストモダニズムの哲学者で、1978年に『性の歴史』を執筆したフーコーは、性にまつわるあらゆるレッテルや境界線を拒否した。

フーコーは、チュニジアの墓地で未成年の少年らと性行為をしたとして非難されている。中には8歳児もいたという。

一般的に、大人が子供と性的関係を望むのは異常だと考えられているが、小児性愛者は子供との性行為を正常と考えており、何でもありのクィア理論家にとっては小児性愛も許容できると、リンゼイ氏は述べている。

環境問題を中心に20冊以上の書籍を執筆してきた作家で講演家のデリック・ジェンセン氏は、クィア理論に対して批判的な発言をしたため、左派から嫌悪されているという。

「左派は私たちを捨てた。私は政治的な居場所を失った」とジェンセン氏はエポックタイムズに語った。

同氏によると、クィア理論はポストモダニズムの影響を受けており、真実や現実の存在を信じていないという。クィア理論においては、何が「正常」にあたり、その正常さが誰を傷つけ、あるいは誰を助けるかが分析された結果、「正常さは抑圧的だ」という結論に至るという。

すると、どんな種類のフェティシズムであれ、さらには強姦であっても、性的なものは何でも受け入れなければならないことになると、ジェンセン氏は説明した。

さらに同氏によると、クィア理論は、子供に対する性的暴行は大人と子供の間の性的関係に起因するのではなく、性的関係に対する罪悪感を子供に抱かせる社会に起因すると主張するという。

ジェンセン氏も、フーコーが小児性愛を支持していたことに言及した。「フーコーは少年たちと性的関係を持ち、性交同意年齢を撤廃して乳幼児のレベルまで引き下げるべきだと主張していた」と述べた。

フーコーのほか、性とジェンダーの政治活動家として最もよく知られるゲイル・ルービンなどのクィア理論の貢献者らが、「フェチ」を正当化するイデオロギーに貢献したとジェンセン氏は述べている。

さらに同氏は、米国の著名な詩人アレン・ギンズバーグが、クィア理論の登場以前に、同運動における一部のアイデアを具現化していたと見ている。

ギンズバーグは、北米少年愛協会(NAMBLA)の支持者兼会員で、1994年に子供との性的関係を擁護するエッセイを執筆していた。その中の一節は次の通り。

「思春期の少年少女は、大きくて毛深いあなたや私から保護される必要はない。私たちの性愛(原文ママ)には2日で慣れるだろう。ただし、支配的な大人たちが、セクシーなもの全てが強姦であるかのごとくヒステリックに騒ぎたてるのをやめてくれるならばではあるが」

クィア理論の父、ミシェル・フーコー(左)。詩人であり、北米少年愛協会(NAMBLA)の支持者兼会員であるアレン・ギンズバーグ(右)は1994年に子供の性行為を擁護するエッセイを執筆。(Public Domain, Express/Express/Getty Images)

クィア理論の評論家の中には、小児性愛が受け入れられるのは時間の問題だと考える人もいる。

例えば、毎年ニューヨークではドラァグマーチが開催されており、参加者らは「私たちはここだ! 私たちはクィア! 子供たちを狙ってやって来る!」と唱えながら行進している。

ラグジュアリーブランドのバレンシアガは昨年、少女に拘束具を装着したテディベアを持たせた広告キャンペーンを展開し、嗜虐的性向をモチーフにしたとして非難を浴びた。さらに、広告の中に児童ポルノに関する判決文書らしきものが写っていたことで、炎上した。バレンシアガは広告について謝罪したが、この一件は高まりつつある傾向を示すこととなった。

クィア理論の支持者らは、家父長制的で抑圧的な制度が異性愛とは異なる性的嗜好を持つ人々を除け者にしてきたと考え、それと闘うための政治的なツールとしてクィア理論を位置付けている。

マルクス主義に関する情報サイト「Marxist.com」に2019年に掲載されたある記事は、クィア理論における制度に対する闘争の要素を肯定的に捉えた。

一方で記事は、クィア理論が、真の社会主義革命を引き起こすにはアイデンティティ政治に過度に傾いてしまっていると指摘している。「資本家がLGBTに友好的な姿勢を示すことで、リベラルかつ進歩的なイメージを打ち出すことができてしまっている」と嘆いた。

アップルやコカ・コーラなどの企業は、劣悪な労働条件下で何万人もの労働者を搾取しているにもかかわらず、社内でLGBTキャンペーンを支援し、商業化されたプライドパレードで無料のアルコールを配るパーティトラックに資金提供を行っている、と記事は指摘した。

小児性愛の正常化

ゲイ文化を用いて子供たちを性的対象化することに反対する団体「グルーミングと戦うゲイ」の創設者ジェイミー・ミッシェル氏は、エポックタイムズに対し、クィア理論は学校に進出しているジェンダー・イデオロギーの一部であると述べた。

今、米国の学校では、そうしたイデオロギーの下、生徒たちが親に内緒で代名詞(he/she)を変え、「社会的性転換」を行っている。

「その目標は常に、障壁を打破し、小児性愛を正常化することだったのでしょう。クィア理論とジェンダー・イデオロギーの初期の提唱者の中には、小児性愛者がいた」

「自分の人生を永遠に変えうるトランスジェンダー手術を未成年者に決めさせることは、子供たちを大人との性行為に同意させることに一歩近づく」

「教室でクィア理論やジェンダー・イデオロギーを推進し、代名詞や現実に存在しない性別で彼らを洗脳することは、それらを正常化させ、同意できるようにするためのものだと私は考えている」とミッシェル氏は述べた。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
テキサス州を拠点に活動する米国のエポックタイムズ記者。州政治や選挙不正、失われつつある伝統的価値観の問題に焦点を当て執筆を行う。テキサス州、フロリダ州、コネチカット州の新聞社で調査記者として活動した経歴を持つ。1990年代には、プロテスタント系のセクト「ブランチ・ダビディアン」の指導者デビッド・コレシュについて暴いた一連の記事「罪深きメシア(The Sinful Messiah)」が、ピューリッツァー賞の調査報道部門で最終候補に選出された。