8月20日昼頃、江蘇省南京市で走行中のバスが突然、激しく炎上した。この事故で、これまでに2人が死亡、5人が負傷したと発表されているが、最終的な死傷者数は不明。
メディアの取材に対し、バス会社は、乗客がカバンに入れていたリチウム電池が突然発火、炎上したという初期調査の判断が出ている、と明かした。
出火後、運転手はバスを道路脇に停車させて乗客を避難させた。しかし、火の勢いが激しいため一部の乗客は脱出に時間がかかり、(児童を含む)死者2人、負傷者5人が出たとしている。
リチウム電池を持ち込んだ乗客とバス運転手に怪我はなかった。2人は原因調査のために警察に連行されている。
中国で、リチウム電池は電動スクーターのバッテリーのほか、電気自動車などにも広く使用されている。しかし近年、このバッテリーが突然発火して火災につながる事故が相次いでおり、社会問題になっている。
部屋で充電中のバッテリーが発火して、集合住宅全体の火災につながるケースは多い。充電中でなくても、駐車時や取り外して持ち運ぶ途中で発火することも少なくない。
複数の住民が乗り合わせたエレベーターの籠内(室内)で、乗り入れた電動スクーターが炎上する大事故も実際に起きている。エレベーターの狭い籠内が一瞬にして火の海になる様子が監視カメラに映っており、SNS上では「爆弾」と呼ぶ声が噴出している。
こうしたバッテリーの突然発火の問題について、中国当局は、メーカー間の価格競争で品質に問題のあるリチウム電池が流通していることを問題視している。
暫定的な対策として「バッテリーの充電は屋外でするよう」求めているが、バッテリーの品質向上についての課題は残されたままだ。一部の建物では、建物内への車両持ち込みを禁止している。
(充電中のバッテリーの突然発火による火災。4月、北京)
(エレベーター内で炎上する電動スクーター。2021年5月、中国)
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