中国穀倉地帯に豪雨 食糧安全の懸念高まる

2023/08/09
更新: 2023/08/09

中国の有数の穀物生産地域である黒竜江省と吉林省で豪雨が続いて大規模な洪水が発生した。水位が急速に上昇し、農地の浸水被害も広がり、中国の食料安全への懸念が高まっている。

中国メディアは、黒竜江省では、農地の灌漑に使われる川が氾濫して、水田が水没し、野菜のビニールハウスが破壊されたと伝えている。

「三聯生活週刊」誌は8月7日に、五常市で最も高品質の米の産地である民楽郷の水田が大きな被害を受けたと伝えている。

食糧安全に対する懸念が高まる

8月7日、CNNは、中国北東部の農地で洪水が発生し、中国の食糧安全保障への潜在的な影響への懸念が高まっていると報じた。

中国東北部の三省、黒竜江、吉林、遼寧省は地形が平坦で、また肥沃であり、中国の非常に重要な穀倉地帯とみなされている。ここでの生産量は中国の穀物総量の1/5に相当し、主要な作物として大豆、トウモロコシ、お米が含まれる。

官製メディア人民日報によると、黒竜江省のハルビン市では、16万2千人以上が避難し、洪水により9万ヘクタールの農作物が破壊された。一方、新華社は、尚志市で60年に一度の大雨が4万2575ヘクタール以上の作物を破壊したと報じた。

中国最大の小麦の産地である河南省も今年5月下旬に強い降雨に襲われた。この連続的な大雨は小麦の収穫時期に起き、地域の小麦の生産は過去10年で最大の損失を受けた。

2014年、中国は正式に世界最大の穀物輸入国となった。2015年以降、中国は毎年1億トン以上の穀物を輸入している。輸入された穀物は、国内の穀物の総生産量の20%以上、国内の穀物の総消費量の約15%を占めている。

方暁