米下院は14日、2024会計年度の国防予算の大枠を定める国防権限法案を賛成多数で可決した。その中には、ハリウッドが中国共産党(中共)の検閲に屈することを阻止する内容が盛り込まれている。
3月にマーク・グリーン下院議員が提出した「共産主義政権による編集関与を阻止する法案(SCREEN Act)」は、米国の映画スタジオと中国企業が共同製作する映画を連邦政府が支援することを禁じるもの。
「中国共産党は、その全体主義的検閲をハリウッドに輸出し、米国の映画産業がそのアジェンダに屈服することを要求している」「中国共産党の目的はただ一つ、その違法で、非人道的な犯罪を暴露するいかなる声も封じることだ」とグリーン氏はエポックタイムズの取材に答えた。
SCREEN法には、政府の援助を受けている米国の映画製作者に、中共の要求に基づいて編集された過去の映画を報告するよう義務づける内容も盛り込まれている。
一方で、国防権限法案には中絶を求める兵士の医療渡航費の支払いを禁止する修正案が多数含まれているため、民主党が多数の上院で通過するかは不透明だ。
中国共産党の検閲を狙ったSCREEN法
中共の検閲と米国メディアへの干渉問題は、米中関係が悪化の一途をたどるにつれ、ますます争点となっている。
何十年もの間、ハリウッドと米軍は互恵関係にあり、軍事基地、飛行機、艦船での撮影が許可されてきた。しかし近年、中共はその巨大な映画市場の魅力を利用し、米国のスタジオに検閲や党の要求に基づいた編集を強いる傾向が強まっている。
例えばディズニーは2021年、米アニメ『ザ・シンプソンズ』で1989年の天安門事件に触れるエピソードを削除した。また、2013年の映画『ワールド・ウォー Z』では、ゾンビウイルスの発生源が中国であることを示す場面が変更された。
これに対し、米国防総省は6月、メディア制作に関する文書を更新し、中共の要求に基づいて映像を編集する映画スタジオとは協力しないと宣言した。
国防総省は、エポックタイムズが入手した文書の中で「自国の国益増進を図るためにコンテンツの検閲を試みる中国政府または中国共産党、もしくはその支配下にある組織からの要求に応じて映画を編集したり、またはその要求に従う可能性が高いという実証可能な証拠がある場合、国防総省は制作支援を提供しない」と述べている。
グリーン氏は「SCREEN法は、米国の税金が中国共産党に屈服する映画スタジオに使われないよう阻止する」と語った。
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