米テネシー州ナッシュビルの女性権利活動家であるケイ・ヤン氏が、エポックタイムズの取材に応じ、米国で広がりを見せるトランスジェンダリズム(性自認至上主義)に警鐘を鳴らした。
「これは、性転換手術や先進技術によって人体のカスタマイズを目指すという思想に基づく運動の一環だ。企業は、この急成長していて儲かる産業に乗っかろうとしている」と指摘した。
彼女は、その陰謀を内側から見てきた立場から、トランスジェンダリズムの受け入れを推進する動きについて、厳然たる態度で語った。
嫌悪感を覚えるまでは情熱を持ってLGBT活動家として働いていたというヤン氏。彼女の雇用主は、国内外から資金援助を受けて、トランスジェンダリズムの受け入れを社会全体に推進していたという。
また、企業が顧客の激しい抗議をよそに、トランスジェンダーを賞賛する一連のマーケティングキャンペーンを展開していることに対しても、彼女は警鐘を鳴らしている。
企業は、今は利益を失っても、長期的には元が取れることを確信しているという。
さらに、ヤン氏は、これが組織的な取り組みであり、世界経済フォーラムなどのグローバル組織によって推進されている陰謀だと主張している。
国民の大半が乗り気ではないのに、企業、政府機関、非営利団体が力を合わせてトランスジェンダリズムを押し進めているのはこのためだという。
洗脳に気づきわれに返る
ヤン氏は、LGBT運動が子供たちに特定の性的な考えを受け入れさせ、性行為を自然なことと考えさせようとしていると気付き、活動から離れたという。「子供たちは洗脳されている」と彼女は直言した。
彼女が「われに返る」きっかけとなった、ある出来事について教えてもらった。
ある時彼女は、トランスジェンダーを自認している男性の友人が、16歳の少年に性的ないたずらを行ったことを知った。その時、彼女は恐怖に襲われたが、他は誰も恐れを感じていなかったという。
彼女は、エポックタイムズの記者に対し、その男性の刑事告発に関する公的記録を示したが、「報復の恐れから詳細は公にはできない」とのことだった。性犯罪者登録にも彼の名前は確認できた。
ヤン氏は、子供たちが洗脳されているという現実を受け入れざるを得なかったことで、それまで支持していたLGBTに嫌悪感を抱くようになった。
最近、大手小売業者のターゲット、ビールブランドのバドライト、スポーツウェア大手のアディダスなどが、幅広い顧客層から怒りの声があったにもかかわらず、トランスジェンダリズムを賞賛するマーケティングを展開した。
彼女はそういったことに驚きはしないという。
「企業がトランスジェンダリズムを支持する背後には、深い動機がある。人類生物学と人工技術を統合する『第四次産業革命』を生み出して利益の可能性を無限に創出したい、という願望に動機づけられている」とヤン氏は説明した。
トランスジェンダリズムが社会で広く受け入れられることで、それがさらに推進されるという。
「彼らは人類全体をこの方向に導こうとしている」とヤン氏は述べた。
マネタイズされる身体
ヤン氏によれば、性転換手術、異性ホルモンの投与、乳房インプラントはただの始まりに過ぎないという。
彼女によれば、トランスジェンダリズムは魂と肉体の根本的な分離を説くという。
女性の魂や心を持った男性は体を女性らしくカスタマイズすることができ、逆も然りであると、トランスジェンダリズムは主張している。
このアプローチによって、徹底的な身体改造の販売が可能となり、それが急速にグローバル産業となりつつあるのだという。
人体の「バイオハッキング」
テクノロジーによって人体を「カスタマイズ」する試みは、「トランスヒューマニズム(超人間主義)」と呼ばれる。
ヤン氏によれば、トランスヒューマニズムは人体にテクノロジーのインプラントを施す「バイオハッキング」も推進しているという。
「自分自身の体を作りましょう。自分自身の性別を作りましょう。彼らはそういうことを若者たちに刷り込んでいる。受け入れるよう若者たちを洗脳している。そうやって、脳や腕に何かを埋め込んでいく」。
テクノロジーによって、政府が生殖や人口をコントロールすることも可能になるという。
「私たちはますます、女性なし、あるいは父親なしで繁殖でき、子供を産むことができるという考えに向かっている。彼らは、自然な生殖の形を超え、人間の生殖を完全にコントロールし、研究室で改造したいと考えている」。
まるでSFのような話だ。しかし、実際にニューラリンクのような企業は、人間の脳をコンピュータに接続することを目指しており、メタのマーク・ザッカーバーグCEOも、10億人を収容できる仮想世界を目指している。
他にも、サイボーグ・ネストのような企業は、テクノロジーを人々の体内に埋め込み、新たな知覚や能力を提供する方法を模索している。
トランスジェンダーの億万長者であるマーティン・ロスブラット氏は、脳や身体なしで人間の意識を記録する「マインドファイル」を作成するソフトウェアを使用して、意識を身体から完全に切り離そうとしている。
他にも、世界経済フォーラム(WEF)は、2030年までに「あなたは何も所有せず、幸せになるだろう」とビデオで宣言している。
そのビデオは、必要に応じて代用臓器を製造できる新技術などの楽観的な展望のほか、気候変動により10億人が移住を余儀なくされるという予測や、米国が世界最大の超大国ではなくなるであろうこと、お肉が「たまのごちそう」になるであろうことなどを伝えている。
そして、「西洋の価値観は限界まで試され、人々はあらゆるものを借り、何も所有しなくなる」と主張しているのだ。
「それは人間の身体にも当てはまるだろう」とヤン氏は指摘している。テクノロジーがインプラントされることで、人々は自分の身体をレンタルできるようになるのかもしれない。
WEFは、これらの見解は目標ではなく予測であると述べている。
(下)に続く。
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