新型コロナワクチン接種と妊娠の関係について、ファイザー内部文書から読み解く(1)

2023/06/06
更新: 2023/06/08

昨年11月29日、EPOCH TVのインタビュー番組「米国思想リーダー」に、母体胎児医学の専門家として40年のキャリアを持つジェームス・ソープ博士が出演した。(日本語版の公開は今年2月13日)

遠隔診療で年間8~9千人近くの患者を診察しているソープ博士は、新型コロナワクチンが導入された2021年から、彼の患者の間で流産や死産を含む妊娠の異常が増加しているという。

はたして、ワクチンの生殖機能への影響は本当にあるのか。

番組では、ソープ博士がファイザーの内部文書を読み解きながら解説した。

以下、番組内のインタビュー内容全文を、3回に分けて掲載する。
 

ヤン・エキレック(司会):
ジェームズ・ソープ博士、当番組にお越しいただき有難うございます。

ジェームズ・ソープ博士:
こちらこそ、有難うございます。この素晴らしいプラットフォームに感謝しています。

ヤン・エキレック(司会):
あなたは産婦人科医であり、母体胎児医学の専門家です。あなたは最近、新型コロナワクチンに関する論文を発表されましたね。これは査読前論文ですが、タイトルは「妊娠結果と月経機能への影響」です。今年だけで診察した患者は9000人に上るそうですが、これまでのあなたの経歴を教えてください。

ジェームズ・ソープ博士:
私は69歳です。ハイリスク産科学が専門で、43年以上、この仕事に携わっています。ウェイン州立大学医学部を卒業し、デンバーのコロラド大学で4年間、産婦人科の研修医を務めました。空軍に3年間所属した後、ヒューストンのテキサス大学に戻り、母体胎児医学の研究員になりました。キャリアの前半はカンザスシティで、後半はフロリダで過ごし、現在は愛する妻マギーと暮らしています。今はフルタイムで遠隔診療を行い、中西部の会社を通じて仕事をしています。ミズーリ州とイリノイ州の8カ所で、都市部と農村部の両方にオフィスを構えています。やりがいのある仕事です。

ヤン・エキレック(司会):
遠隔医療と産科はどう結びつくのですか?それは可能なのでしょうか。

ジェームズ・ソープ博士:
パソコン越しに出産できるのか…ですよね?

ヤン・エキレック(司会):
ええ。奇妙に思えるのですが。

ジェームズ・ソープ博士:
素晴らしい質問です。私はフェローシップ・トレーニングを受け、母体胎児医学を学びました。私たちの多くは、産婦人科の医師や助産師を監督し、リスクの高い妊婦を中心に診療しています。もちろんお産で赤ちゃんを取り上げるのも重要ですが、これは日常的なことです。

一方、私たちの専門はより重要な部分です。分娩が安全になるまで赤ちゃんを子宮内に留めることや、早産を防ぐ方法、陣痛誘発剤を適用するタイミング、糖尿病、高血圧、子癇前症といった合併症への対応です。

私たちの多くは、お産に立ち合いませんが、遠隔医療で私たちの専門性を活かし、2Dや3D超音波で患者を診ています。もちろん、必要であれば直接診療も可能です。これまでの経験値から直接診療もできるし、遠隔診療のモニターでも、分かる事はたくさんあります。

これは私にとって、非常に効果的な方法でした。実際、私は今、退職前の約3倍の患者を診ています。今は州をまたいで移動する必要がないので、より多くの時間を診察に割けるからです。

私の母は分娩看護師で、私はオハイオ州レイクウッドにあるカトリック系の高校に通っていました。その頃、夏休みの必読書の一冊に指定されていた本を読み、衝撃を受けました。センメルヴェイス・イグナーツの生涯を描いた、モートン・トンプソンの『叫びと契約』です。その本を読んだ後に、自分の行くべき道がわかったのです。

センメルヴェイスの話には、歴史的に興味深い部分があります。19世紀半ば頃、センメルヴェイスはウィーンの産科医院に勤務していました。まだ抗生物質がなかった時代です。想像してみてください。当時は、若くて美しい健康な妊婦のほぼ2人に1人が、出産後に亡くなっていたのです。

母親たちは、生まれた赤ちゃんに会う事ができなかったのです。その産科医院では、主治医や研修医たちが、死体安置所で検死を行っていました。当時は、細菌やウイルス、感染症、健康に関する知識がなく、手洗いの重要性も知られていなかったのです。

センメルヴェイスは妊婦の死因を突き止めましたが、当時はねじ曲げられた理論が常識とされていました。現在でも、様々なレベルで、同様の事が起きています。

当時の米国産婦人科委員会や産婦人科学会、母体胎児医学会が彼に対してやったことは、今日でも全く同じことがおこっています。「日の下に新しきものなし」です。『伝道の書』にあるように、「先になされた事は、また後にもなされる」ということです。

ヤン・エキレック(司会):
センメルヴェイスは、お産に携わる医師たちに、手洗いの重要性を説きました。その後、どうなったのでしょうか。

ジェームズ・ソープ博士:
彼は病院で調査しました。ある階では手を洗い、別の階では手を洗わないという実験です。医学界初の前向きランダム化試験です。彼はそれで、伝染と呼ばれるものを解明しました。当時は「瘴気が漂っている」とかいうおかしな理論が、常識だったのです。

彼は観察力のある医師だったので、その理論がおかしい事に気づきました。私は彼を手本にしたいと思っています。私はこれまでも、そしてこれからも、群衆に従いません。権力者が、違法で非倫理的な、不道徳な命令を下し、患者との信頼関係を壊そうとしても、私には通じません。

ヤン・エキレック(司会):
当時、センメルヴェイスに起こったことは、今の状況とどのように類似しているのでしょうか。

ジェームズ・ソープ博士:
彼は孤立させられました。センメルヴェイスは嘲られ、叱りつけられ、罰や嫌がらせを受けました。 まさに今、我々がされている事です。しかし、彼は自分が正しい事を知っていました。彼は素晴らしい研究結果を示し、 病気を予防しましたが、無視されました。彼は迫害され、最後には発狂してしまったのです。

私も彼に共感しています。この2年間、私は多くの倫理的・道徳的なトラウマを経験してきました。眠れぬ夜を過ごし、泣いた事もあります。若く美しい母親や新生児、これから生まれようとする赤ん坊が亡くなったり、障害を負っているのを見るのは、とても辛い事です。私はその原因を知っているし、それをこの目で見てきたのです。きっとセンメルヴェイスも同じ気持ちだったでしょう。私がこの本を読んでいた時、自分も同じ立場に置かれるとは、思っていもいませんでしたが….。

ヤン・エキレック(司会):
このワクチンは、妊婦にも推奨されています。接種が進むにつれて、どのような事が見えてきましたか。

ジェームズ・ソープ博士:
ワクチン接種が本格的に始まったのは2021年でしたが、私は以前から、とても心配していました。実は、2018年と2019年に、既にパンデミックは話題に上っていました。当時は、SARS-CoV-1の話もありました。私は好奇心旺盛なので、パンデミックに関しては、独自に情報を調べていたのです。

私はSARS-CoV-1についての論文を読み、ヒドロキシクロロキンの有効性を知りました。トニー・ファウチ博士が発表した論文にも書かれています。彼の名前はありませんが、彼が資金提供した研究で、2004年に発表されています。ヒドロキシクロロキンはSARS-CoV-1に非常に有効で、効果が高いと書いてありました。

他にもいろいろな治療法があります。私はオゾンをよく使います。産科診療のためではありませんが、個人的に、また家族や友人たちにも使いました。オゾンは、ビタミンD3と同様に、非常に効果的でした。2020年には、「パンデミックの到来」をテーマとした、当局による模擬会議も開かれていたのです。

そして本当にパンデミックが発生しましたが、その時に気づいた事があります。彼らは本物の医者ではなく、偽物だったのです。当局や権力者たちは、「早期治療はできない」と言っていました。それはどういう意味でしょうか。酸素不足で唇が青くなったら、救急外来に搬送するというのです。

私はそれを聞いて、唖然としました。私は歴史家でもあります。医学の歴史の中で、治療法がない病気などありません。専門家も歴史家も皆知っていますが、病気は早く治療すればするほど、良い結果が得られるのです。自宅待機とはどういう意味でしょうか。有効な治療法がないと、どうして分かるのでしょうか?

私は研究者であり、医師でもあります。これまで何百ものプロジェクトの研究を発表してきましたが、製薬会社から資金援助を受けたことはありません。なぜならば、研究者の90%は、常に助成団体の意向に従う事を知っているからです。それが現実ですが、私はそれに縛られたくなかったのです。そこで私は、2020年の夏に、ランダム化二重盲検試験の方法を考案し、周りに推奨しました。ソーシャルメディアで公開し、知り合い全員に送りました。

ヤン・エキレック(司会):
つまり貴方は、「ワープスピード作戦で開発されたワクチンを展開するならば、このようなテストを行なってそれを評価する必要がある」と言ったわけですね。

ジェームズ・ソープ博士:
はい。

ヤン・エキレック(司会):
でも、誰もあなたの方法論に興味を示さなかったのですか?

ジェームズ・ソープ博士:
笑われましたよ。

一笑に付されました。ご存知のように、結局ワクチン接種が始まりました。さて、6ヶ月が経ったころ、私はワクチン有害事象報告システム(VAERS)のデータをみて、自分の予測が大変甘かった事が分かりました。私は10年間で、死亡率が5倍になると仮定していたのですが、とんでもない間違いでした。他のワクチンと比べて、6ヵ月の間に死亡率が20~25倍になったのです。

私は非常に動揺し、やや絶望しました。もし前向きランダム化比較試験を行っていれば、2021年夏あるいは9月までに、接種は止められたはずです。世界中の医療委員会がデータを見て、「このワクチンは危険だ。直ちに回収しよう」と言えたのです。ランダム化二重盲検プラセボ対照試験をやっていれば、そうなっていたはずです。

しかし、彼らはそれをしませんでした。意図的だと思います。ワクチンが海外へ出荷され始めたのは、2020年12月1日でした。2020年12月中旬には、世界中で接種が始まりました。

ヤン・エキレック(司会):
その後、患者に何らかの影響が出始めたのですね。

ジェームズ・ソープ博士:
はい。恐ろしい結果です。ここで強調しますが、個人的に、私は新型コロナによる死亡や重症者は見ませんでした。過去20年間に見てきたインフルエンザと変わりません。妊婦が新型コロナで死亡したとか、重症化したケースは見ていません。何人かはいましたが、私が以前経験したインフルエンザと同程度です。これは個人的な意見ですが、妊婦へのワクチン接種は、間違った仮定に基づいて推進されています。

ヤン・エキレック(司会):
例えば?

ジェームズ・ソープ博士:
例えば、当局は「妊婦もワクチン接種を」と言っています。「ウイルス性肺炎で死亡するリスクが高いからだ」そうです。私だったら、「なぜですか?」と尋ねますよ。彼らは、「妊婦は免疫力が低下しているから、子供を産むにはそうするしかない」と言います。 もちろん、赤ちゃんは身ごもった母親とは全く別の人間ですからね。

確かに彼らの言う通りです。妊娠は自然なことであり、最も成功した移植事例です。なぜならば、子宮の中にいる胎児は母親由来ではなく、父親と母親の遺伝物質の混合と交換が行われた後の完全に独自の人間だからです。つまり、ある意味彼らは正しいです。ですが、彼らの結論は大間違いだと私は思います。

私の経験では、妊婦は非妊婦と比べて、感染症やウイルス性肺炎にかかりにくいと思います。実のところ、現在の文献は私の意見を裏付けています。私の母校であるテキサス大学ヒューストンの研究員、ベス・ペニレスが発表した論文があります。この論文は昨年発表されました。彼女は非常に大規模な研究を行い、興味深い事を発見しました。妊婦は非妊婦に比べて、ウイルス性肺炎による死亡率がはるかに低かったのです。興味深いですよね?

また、筆頭著者はジョン・マッカーサーだったと思いますが、『ネイチャー』に発表された別の研究でも、非常によく似た結果が示されています。実際、母親と胎児の免疫系は互いに密接に関係し、依存し合っています。妊娠中は、赤ちゃんも母親も、細胞性免疫で守られています。細胞性免疫は液性免疫よりも、はるかに重要です。細胞性免疫は免疫システムの右腕なのです。液性免疫やB細胞が作る抗体は、あまり重要ではありません。

私の意見ですが、リンパ球を構成するB細胞などは、免疫の指標にはなりません。しかし、製薬会社が検査の根拠としているのは、すべてこれです。私の意見では、これは間違った指標です。抗体があろうがなかろうが、免疫の有無を評価することはできません。文献がそれを裏付けています。ですから、製薬会社が行う抗体検査は、見せかけに過ぎません。多額の利益を得るために、間違った指標を偽装しているだけだと、私は考えています。

 

エポックタイムズのシニアエディター。EPOCH TVの番組「米国思想リーダー」のパーソナリティーを務める。アカデミア、メディア、国際人権活動など幅広いキャリアを持つ。2009年にエポックタイムズに入社してからは、ウェブサイトの編集長をはじめ、さまざまな役職を歴任。ホロコーストサヴァイバーを追ったドキュメンタリー作品『Finding Manny』 では、プロデューサーとしての受賞歴もある。
大紀元報道記者。東京を拠点に活動。