4年近くにわたる「給与未払い」に抗議するため、中国河南省三門峡市の学校教師34人がハンガーストライキを行うとする連名の声明がネット上に流出し、物議を醸している。米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)22日付が報じた。
ネット上に流出した同声明は5月15日付のもので、各教師の署名と拇印入り。この声明にみられる教師側の主張の概要は、以下の通り。
当該の教師たちは2019年8月に、市政府による教員採用試験に合格した。この時に採用された教師は、当時まだ民営であった三門峡東方剣橋学校に赴任したが、将来的には公務員(の教師)として扱われることが採用試験要項にも明記されていた。
以来、34人の教師は、1日平均12時間以上、約4年間にわたり勤務してきた。しかし、公務員としての身分にはならず、給与も支払われてこなかった。給与の未払いだけでなく、雇用契約や社会保障もないままで、管理当局に待遇改善を訴えても全く放置されてきたという。
声明のなかで教師たちは、ハンスト抗議によって迷惑をかけた生徒と保護者に対して謝罪するとともに「これまで管理当局にこの問題を訴えてきたが、解決されなかった。生活のためやむを得ず、このような最も卑賎な方法で抗議活動を行った」と釈明し、理解を求めた。
三門峡市教育局は22日、この件に対して「迅速に問題を解決する」とする声明を発表した。現在、教師は全員職場に戻り、引き続き仕事をしているという。
今回の場合、教師の給与は、2022年8月までは学校を所有する民営会社に支払い責任がある。その後、同年9月に公立学校「三門峡東方剣橋中学」に改編されてからは、地方政府が支払うことになっている。しかし教師34人の給与は、そのいずれからも支払われていなかった。
近年、中国各地では、こうした給与未払いをめぐって抗議行動を起こす教師が後を絶たない。
今年3月にも、江西省景德鎮市で複数の学校教師が、当局による長期にわたる給与未払いを巡って、学校の正門前で抗議集会を行った。
中国メディア「澎湃新聞」によると、教師の給与未払いについては、地方政府の「財政難」が一般的な原因とされている。しかし一部の地方では、教育資金の使い込みなど不正支出の問題が、昔から存在しているという。
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