「ここは日本だ!中国ではない!」中国人観光客の性的暴行に苦言! =在日華人

2023/05/11
更新: 2023/05/11

このほど、在日華人と思われるツイッターアカウントによる自撮りの顔出し動画が、華人圏の間で拡散されて話題を呼んでいる。

この男性(仮名、李龍さん)は、自ら撮影した2分ほどの動画のなかで、日本で起きたある事件について「中国出身者の一人として、本当に恥ずかしい」という自身の心情をストレートに吐露している。

事件は先月23日、東京都内で起きた。妻とともに日本へ観光旅行に来ていた中国人の男・王耀徳(30歳)が都内に滞在中、妻をホテルに残し、一人で外出した。20代の日本人女性にラーメン店へ行く道をたずねたところ、言葉が通じない。女性は親切心から、王を連れて目的の店へ案内しようとした。

途中、王は雑居ビルのトイレに女性を引き込み、性的暴行を加えた。女性が声を上げたため人が集まり、王はその場で逮捕された。しかし、女性が心に深い傷を負ったことは想像に難くない。

李龍さんが、自身の動画のなかで述べた概要を、以下に示す。

「その男は同胞だ。30歳で、国内では消防士をしている。妻と二人で日本へ旅行に来たが、夜に妻をホテルに残し、外へ買い物に出かけた。その途中、若くて美しい日本人女性を見かけた。男は、道をたずねるふりをして、女性に近づいた」

「道をきかれた女性は言葉が通じなかったが、日本人なら必ずそうするように(親切心から)男を連れて目的の場所へ案内しようとした。しかし男は、公衆トイレに女性を引き込み、犯行に及んだ」

「このニュースを聞いて、私(李龍さん)は恥ずかしい!本当に恥ずかしい! 犯人の男よ。あんたは消防士だろう。本当に何をしてるんだ?」

「頭がおかしいんじゃないのか?よく聞け。ここは日本だ! 中国国内じゃない。徐州でもない、唐山でもないんだ!」

そこまで語気も激しく、一気に語り続けた李さんは、ここで声を静め、日本語の「みなさん」を話の頭においてから、中国語でさらに続けた。

「私たちが、どこからきた者であろうとも、どんな国籍であっても、どんな種族であっても、皮膚の色が何色であっても、私たちは人間なのだ。あんた(犯人の王)は他人の善良な心を利用し、相手が助けてくれようとしたのに、こんな犯行に及んだ。我われは同胞で、同じ中国人だが、私は(あんたとは違って)人間なのだ」

本記事を発表するにあたっては、エポックタイムズは李龍さん(仮名)に連絡をとり、本人の了承を得ているが、情報提供者の安全を尊重して、顔が映ったスクリーンショットなどの掲載は控える。

李龍さんが動画のなかで叫んだ「ここは徐州でもない、唐山でもないんだ!」とは、どういう意味か。

徐州(江蘇省)と唐山(河北省)は、いずれも中国の地方都市だが、いま中国で使われるこの二つの地名には、ある特殊な意味が付随している。

徐州と言えば「鉄の鎖の女性」。つまり、13歳の少女のころに誘拐され、人身売買によってこの地の男に買われてきたが、凄まじい虐待のなかで8人(またはそれ以上)の子供を産まされ、また地元の複数の役人に凌辱されるなどして、精神に異常をきたした女性が発見された場所を指す。

昨年2月、ボランティア団体によってこの女性が発見された時は、首に鉄の鎖がまかれ、寒い離れの小屋に監禁されていた。

唐山は、以前であれば1976年の唐山大地震の被災地であったが、今中国人がまっ先に思い浮かべるのは、昨年6月に唐山で起きた集団暴行事件である。

夜、唐山の焼肉店で食事をしていた女性グループに、地元の暴力集団がセクハラをしかけた。女性が抵抗すると、男たちは逃げる女性をつかまえて殴る蹴るの凄まじい暴行におよび、複数の女性に重傷を負わせた。

この事件で、犯人の男たち9人は地元警察に拘束されたが、あまりにも甘すぎる警察の対応に、警察当局と地元ヤクザとの癒着の問題が改めて浮き彫りになった。

動画のなかで、李龍さんは「ここは日本だ!徐州でもない、唐山でもないんだ!」と声を強めて叫んだ。

それは全く関係のない善良な日本人女性が、理不尽な暴力の犠牲になったことへの怒りを表すとともに、その犯人が、妻とともに日本を訪れた中国人の男であったことに、同胞としての耐え難い悔しさを爆発させたものと見てよい。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。