ワクチン接種で14歳少女が致命的な多臓器炎症 接種後2日で死亡

2023/04/15
更新: 2023/05/24

徳島大学大学院医歯薬学総合研究部法医学教室などの研究者たちが、ファイザー社COVID-19ワクチンの3回目の投与を受けた2日後に突然死亡した14歳の少女の剖検(病理解剖)例を報告した。

健康だった少女が突然死

報告書によると、その少女は立ち上がったときに血圧が低下したり、心拍数が上がり過ぎたりする自律神経疾患である起立性調節障害だったが、健康状態はよく中学校のスポーツで活躍していた。

2022年8月10日、彼女はファイザー社の新型コロナワクチンの3回目接種の翌日、37.9度の熱を出したが、その日のうちに治った。一緒に寝ていた妹によると、彼女は呼吸困難で一時的に目が覚めたがすぐに寝たという。

しかし翌朝、母親が彼女が呼吸をしておらず、顔色が悪いことに気づき、救急車を呼んだが心肺停止状態で、蘇生しなかった。死亡はワクチン接種から45時間後だった。

初回接種は2021年9月12日で、ワクチン接種後、彼女は発熱のない腕の痛みを感じた。2回目の投与は2021年10月3日で、接種翌日、彼女は38°C未満の発熱があり、学校を休んだという。彼女が接種したワクチンはすべてファイザー社のものだったという。

死亡の翌日、突然死の原因を評価するために検死が行われた。
 

ワクチン接種後の剖検の結果

解剖の診断は、細菌またはウイルス感染がないこと、自己免疫疾患を示唆する既往歴がないこと、アレルギー反応がないこと、ワクチン以外の薬物曝露がないことから、ワクチン関連多臓器炎症と診断された。心筋炎は多系統炎症症候群の一形態で、今回のケースでは肺炎も関与しているが、肺炎だけで突然死の原因となることは少ない。また組織学(光学顕微鏡などを用いて人体の微細な細胞構造を観察し考察する)的にも、赤血球を含むマクロファージの存在や肺のうっ血性浮腫は、前日からの心不全の徴候を示唆していた。

炎症の範囲は比較的狭かったものの、心房を中心とした病巣の存在と息苦しさは、死の数時間前に心不全を疑わせた。 このため、死因はワクチンに関連した心筋炎であり、重症の不整脈と 心不全が進行したものと診断された。

厚労省が継続して否定している「ワクチン接種と死亡に因果関係がある」事象のひとつとなった。

論文をまとめた徳島大学法医学教室の主田英之准教授(解剖医)は、本症例の ような突然死の死因を調べる場合、肉眼的な変化がない場合、心室の組織検査だけでは心房に限局した病変を見逃す危険性が高まると述べ、剖検時に明らかな肉眼的死因がない場合には、心房を含む心臓の完全な組織学的検査が重要だと注意を促している。
 

ワクチン接種方針を変更しない日本政府

WHO(世界保健機関)は3月28日、新型コロナウイルスワクチンの接種指針を改定し、健康な成人や子どもには定期的な追加接種を「推奨しない」とした。しかし政府は3月8日から5~11歳の子どもに対する新型コロナワクチンの追加接種を進めている。
 

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。