[台北 12日 ロイター] – 来年1月の台湾総統選挙に向け、与党・民主進歩党(民進党)は12日、頼清徳副総統を候補者として正式に指名した。頼氏は「民主主義を選択せよ」と有権者に呼びかけた。
頼氏は指名後初めての演説で、蔡英文総統の民主主義を守る姿勢と、その前任者である野党・国民党の馬英九前総統の姿勢を対比させた。蔡氏は先週、ロサンゼルスでマッカーシー米下院議長と会談。同時期に馬氏は中国を訪れていた。
頼氏は、馬氏が「一つの中国」原則の枠組みに戻った一方、蔡氏は民主化路線を歩んでいると指摘。
「2024年以降、台湾が直面するのは、この2つの全く異なる選択だ。24年の選挙は、民主主義体制の継続、次世代の幸福、そしてインド太平洋の平和と安定という、台湾の方向性を決めることになるだろう」と語った。
2008年から16年まで総統だった馬氏は、台湾の元総統として初めて中国を訪問した。共産党との内戦に敗れた国民党が1949年に台湾に移って以降、現役の総統が訪中したことはない。
馬氏は訪中の最後、記者団に「現政権は引き続き台湾を危険な状態に導いている。将来は平和か戦争かの選択になる」と語った。
中国との対決を公約に掲げて民進党が圧勝した前回(2020年)の総統選と同様、今回も中国政府との関係が最大の争点となりそうだ。
蔡総統は憲法上の任期制限により再出馬できず、頼氏は民進党の唯一の候補者であったため、今回の発表は形式的なものだった。
頼氏は、昨年の地方選惨敗の責任を取って辞任した蔡氏に代わって党主席(党首)に就任した。
主要野党の国民党は伝統的に中国との緊密な関係を好むが、総統選候補はまだ決まっていない。新北市長の侯友宜氏が有力とされている。
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