「健康被害の救済認定速やかに」コロナワクチン接種後死亡 遺族が国に要望

2023/03/10
更新: 2023/03/17

コロナワクチン接種後死亡した人の遺族たちが集まる団体「繋ぐ会」が9日、厚生労働省で記者会見し、ワクチン接種後の健康被害に対して迅速な救済を行う事やワクチン接種体制の一旦停止などを求めた。

新型コロナウイルスのワクチン接種から3日後に死亡した宮城県の会社員の男性、須田正太郎さん(当時36歳)が国の予防接種健康被害救済制度に基づいて厚生労働省に救済認定された。

一回目の新型コロナワクチン接種が始まってから2年が経過したが、ワクチン接種後に死亡するケースが増えている。

記者会見に同席した代表弁護士の青山まさゆき氏は「(他に)原因となることがないのに、ワクチン死亡後すぐに調子が悪くなり、3日でなくなっていく」事例が相次いでいると述べている。

夫の須田正太郎さんを失った須田睦子さんは「どれだけの被害報告があるのかといった危険性の部分を公平な目線で国民に伝えて欲しい。そこで初めて国民が接種の選択をできるといった状況を作ってほしい」と述べ、「死んだ家族は返ってこないが、せめて同じ不安を抱えている多くのご遺族の迅速な救済を望みます」と訴えた。

遺族会(繋ぐ会)は厚生労働省に以下の内容の要望書を提出した。

一、国は新型コロナワクチン接種後の健康被害について、予防接種健康被害救済制度の速やかかつ幅広い認定をすすめ、速やかな救済を進めてください。

二、国は特にワクチン接種後の突然死や重篤な後遺症に関し、病理解剖や高度専門医療機関における集中的な研究を推し進め、その原因を速やかに究明してください。

三、国は、新型コロナワクチン接種後の健康被害について、すべての国民に対し、その状況を報告し、国民との間で現状認識を共通化されたい。その際、ワクチン接種に費やしたと同等の努力を費やし、幅広い手段をもって広報し、国民の自主決定権が充分な内実をもつ実効性があるものとすべきです。

四、国は、前記二の研究成果や三の健康被害状況などの事実を踏まえ、新型コロナワクチン接種のメリットとデメリットについて、まずは接種の是非を国民に説明する立場にある医療関係者や政策立案者である政府関係者の理解を深めるよう努めて下さい。

五、ワクチン未接種者への、いわゆる「ワクハラ」がなされることのないよう未接種者への差別や事実上の強制を徹底して禁止する施策を作ってください。

六、予防接種健康被害救済制度及び副反応疑い報告などの救済窓口を拡大強化されたい。また、救済制度利用に対する医療機関の協力を厚労省より通知し、救済が漏れることのないよう努力してください。

七、現在に至るまで医療機関製造販売業者報告による。接種後、死亡者の累計が2000名を超えている事実に鑑み、前記二の原因究明などがなされるまでの間、新型コロナワクチンは一旦停止してください。

ワクチンなど予防接種において健康被害が出た際、国は予防接種法に基づき、認定された場合は死亡一時金や医療費などが支払っている。厚労省によると、制度には今年2月10日時点で死亡例を含む6219件が救済申請されている。そのうち死亡は計30件認定を受けている。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。