日米両軍が毎年数週間にわたって行う訓練「アイアン・フィスト」演習が今年、日本とその周辺で行われる。
これまで訓練が行われてきたカリフォルニア州キャンプ・ペンドルトンから場所を移して実施される今回の訓練は、日本が中国、ロシア、北朝鮮の脅威的な行動に直面する中、日米の指導者がインド太平洋の平和、安全、繁栄の礎となる両国間の同盟を再確認し、両国の関係を強化することを約束したことを受けて行れるものだ。
2月16日から3月12日まで行われるこの二国間演習では、水陸両用作戦が中心的な役割を担う。 沿岸部の訓練では、敵対勢力から島を守り、沿岸部で災害救助や人道支援を行う態勢を整える。
日本は2018年に水陸機動団を発足させ、アイアン・フィスト演習をはじめとする訓練の焦点を変更した。 以来、日米の水兵と海兵隊員は、能力を習得し、相互運用可能な部隊を開発するために共に訓練を行っている。
海上自衛隊は、陸上自衛隊、米国海兵隊、米国海軍とともに、17回目となる「アイアン・フィスト」演習に参加している。 陸上自衛隊は1月27日、「この演習を通じて、陸上自衛隊は共同および二国間の水陸両用作戦能力を向上させ、自由で開かれたインド太平洋の維持・強化に貢献する」とツイートした。
この演習では、射撃、偵察、攻撃、後方支援、医療支援に加え、迫撃砲・大砲・近接航空支援などの射撃訓練も行われる。
演習場所には鹿児島県にある喜界島と沖縄県本島の米国海兵隊キャンプ・ハンセンが含まれ、いずれも九州の南西から台湾まで広がる琉球列島の一部であると、ジャパンニュース紙が2023年1月末に報じている。 中国政府と日本政府は、この地域の領有権を巡り争っており、中国共産党は軍艦や航空機を使って周辺での主張を強めている。
また、中国共産党は、もともと中国の領土ではなかった台湾を自国の領土と主張し、武力による占有も辞さない姿勢を見せている。 一方、ロシアのウクライナ侵攻によって、インド太平洋地域で同様の攻撃が起こることを日本とその同盟国やパートナーが懸念している中、10月に日本上空で発射された弾道ミサイルを含む2022年の北朝鮮の記録的な数のミサイル実験は減少の兆候を見せていない。
アイアン・フィスト演習では、駐留軍基地がない日本の島に戦力を展開し、捕獲された離島を奪還するシミュレーションを行う。 戦闘訓練では、水陸両用の上陸作戦とパラシュート訓練を組み合わせる。
マシュー・C・ダナー(Matthew C. Danner)大佐は、「私は第31海兵遠征隊の指揮官になった時から、米国海兵隊と陸上自衛隊、海上自衛隊の強い絆を目の当たりにしてきた」とし、 「その強固な基盤の上で、2023年アイアン・フィスト演習は、地域の安全保障と安定のために協力し、我々合同軍の比類ない強さと能力を示すことになる」と述べた。
両国の関係緊密化の共同発表は、日本が第二次世界大戦後最大の軍備増強を含む国家安全保障戦略を発表した1か月後の2023年1月中旬に行われた。 この計画は、2027年までに防衛費を倍増させ、増大する脅威に直面している日本の平和主義的な姿勢を変えることを求めている。
同戦略では、反撃能力の獲得が「日本への侵略を抑止する鍵」であるとし、侵略に効果的に対応できる同盟国の重要性を強調している。
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