米下院は9日、中国共産党が米国の上空で偵察気球を飛行したことを非難する決議案を全会一致で可決した。「中国共産党は恥知らずにも米国の主権を侵害した」と断じ、超党派で中国の脅威に立ち向かう姿勢を鮮明にした。
決議はマイケル・マッコール下院外交委員長が提出し、419対0で可決した。決議は中国共産党が「米国の主権を侵害する情報収集活動について虚偽の主張をして国際社会を欺いている」と糾弾。「中国による情報収集は、米国の利益と安全保障に対する脅威だ」と付け加えた。
その上で共和党から中国の偵察気球撃墜の「対応が遅かった」との指摘が挙がっていることを踏まえ、中国の過去の領空侵犯の事案や気球をめぐる米中外交当局のやり取りに関して説明するようバイデン大統領に求めた。
超党派の反応
マッコール氏は、中国の気球が核ミサイルサイロのあるモンタナ州のマルムストローム米空軍基地の上空を横断したことに触れ、決議は「中国共産党と世界中の敵対者に、この種の侵略は許されないという明確な超党派のメッセージ」を送るとエポックタイムズに声明を寄せた。
「米国の国家安全保障は党派的な問題ではない。我々は米国人として声をひとつにして共に立ち上がる」と述べた。
また2日には中国特別委のマイク・ギャラガー委員長(共和党)と少数党筆頭理事のラジャ・クリシュナムルティ議員(民主党)が共同声明を発表し、「中国共産党の都合次第で米国の空域にアクセスするのを許すべきではない」「今回の出来事は中国共産党の脅威がもはや対岸ではなく国内にあることを明白にした。われわれはこの脅威に対抗しなければならない」と訴えた。
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