米、進む中国との戦争準備 5年以内に開戦か

2023/01/28
更新: 2024/06/14

中国で感染爆発

中国は2022年12月にゼロコロナ政策を止めた。この直後に感染爆発が発生し中国全土で死者が増加。中国各地で火葬場はフル稼働するが、中国共産党は武漢ウイルスによる死者数を認めない。ゲノム解析の中止と公表中止で感染爆発の流れが不明になった。

中国は人間の移動を緩和し感染爆発を外国に輸出する動きに出た。各国は水際対策を強化するが中国は反発。世界が感染対策で対立している陰で軍事的な対立が進行している。アメリカは在日米軍の再編成と同時に地対艦ミサイルを配備して軍事強化を決断。さらに南シナ海ではアメリカ空母打撃群が活動を開始した。

在日米軍の変化

沖縄に駐留するアメリカの第12海兵連隊は地対艦ミサイルを運用する2000人規模の「海兵沿岸連隊(MLR)」に改編される。編成変更は2025年までに完了する予定なので2年以内に実戦化する動きを見せている。

地対艦ミサイルは敵が来なければ意味を持たない。だがアメリカ海兵隊は迅速に展開する能力を持つので沖縄を拠点としながら世界各地に展開できる。MLRが日本限定であれば運用する意味はない。何故なら日本の自衛隊が同じ兵器と部隊を運用しているからMLRは不要になる。だが自衛隊は変な法律で即応できないのが現実。

そうなるとアメリカ軍としては必要な時に必要な戦力がないのは困る。そこでアメリカ軍が直接運用できる確実性が求められた。その結果がMLRと思われる。だがアメリカ海兵隊が地対艦ミサイルを運用するなら世界各地に展開できる。

沖縄に駐留するなら台湾・与那国島・石垣島・宮古島・沖縄・奄美大島・種子島などに必要に応じて部隊を配置できる。この配置ならば中国の人民解放軍海軍を南シナ海・太平洋から遮断できる。おそらく島に地対艦ミサイルを配置して防御させ、航空戦力と海軍艦艇で打撃する機動防御構想と推測する。

海の機動防御

島の戦力で敵海軍を拘束し空母艦隊で打撃するのは海の機動防御。実例は第二次世界大戦時のミッドウェイ海戦。日本海軍はミッドウェイ島を攻略するために攻撃したが、これはミッドウェイ島の航空戦力に拘束された。その間にアメリカ海軍の空母艦隊は機動して日本海軍を打撃している。

アメリカ軍が機動防御を地対艦ミサイルと空母打撃群に変えて人民解放軍海軍に使うことは明白。同時に中国からの開戦を前提とした作戦構想と断言できる。何故ならアメリカから開戦するならアメリカ海兵隊に地対艦ミサイルを配備させるのは無意味。明らかに敵からの開戦で意味を持つ。

さらにアメリカ海兵隊が地対艦ミサイルを運用するなら、陸上自衛隊の地対艦ミサイル部隊と連携すれば台湾から九州まで地対艦ミサイルで東シナ海を包囲できる。これは人民解放軍海軍から海を奪う行為であり、中国の海を用いた海外貿易を遮断する意味を持つ。

機雷を敷設すれば安上がり。だが機雷を使うと物流に影響を与えるので株価が変動する。こうなると世界から批判されるのは明白。今の機雷は船舶のスクリューが発する音から目標を識別して攻撃できる。だが第二次世界大戦時の機雷のイメージが強いので、使うだけで株価に影響を与えてしまう。

だが地対艦ミサイルならば目標を識別して攻撃することが知られている。ならば地対艦ミサイルで封鎖をしても世界からは批判されない。さらに敵から島に近付くから無差別攻撃にならない。この意味で地対艦ミサイルを選んだと思われる。

中国から海を奪い開戦させる

結論から言えばアメリカは中国から開戦させる計画を持っている。まずは中国から海を奪い怒らせる。次の段階で中国の海外貿易を停止させて怒らせる。人民解放軍海軍を南シナ海・太平洋に進出させないように島々に地対艦ミサイル部隊を配置して封鎖する。これに怒った中国が開戦し、島を攻略中の人民解放軍海軍をアメリカの空母打撃群が打撃する。この流れだろう。

アメリカは積極的に南シナ海でアメリカ海軍を活動させている。中国との融和ではなく戦争を覚悟した動きとしか思えない。双方が外交交渉や譲歩など行う素振りを見せない。それどころか積極的に挑発と威嚇行為を行っている。これでは戦争準備をしているとしか言えない世界だ。

これまでのアメリカ海軍は少数艦艇での南シナ海航行は続けていた。だが中国との対立が激化すると空母打撃群の活動に格上げ。中国が譲歩しないなら軍事的な圧力を高めて中国に譲歩を迫る外交をしている。これは中国が譲歩するか開戦するまで続けられる。

今度は中国に使われる

国際社会では軍隊を用いて先に開戦した国が悪になる。これは今の平和は強国に都合がいいルールなので今の平和を否定する行為は悪と見なされる。戦前の日本はこのことを知らなかった。だからアメリカからABCD包囲網やハル・ノートで怒らされて日本から開戦した。

戦前は日本に対して行った策を今では中国に使っている。中国は当然知っているから容易には開戦しない。だが継続的に中国を怒らせているから我慢の限界を超えるのは間違いない。アメリカ海兵隊の地対艦ミサイル部隊の実戦化まで2年にしているから、中国の我慢の限界をアメリカは推定している可能性がある。ならば中国との戦争は5年以内と見積もるべきだ。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
戦争学研究家、1971年3月19日生まれ。愛媛県出身。九州東海大学大学院卒(情報工学専攻修士)。軍事評論家である元陸将補の松村劭(つとむ)氏に師事。これ以後、日本では珍しい戦争学の研究家となる。
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