トランプ氏「再選したら中国の土地購入を禁止する」

2023/01/19
更新: 2023/01/19

トランプ前大統領は18日に公開したキャンペーン動画のなかで、2024年米大統領選で再選した場合、中国が米国の農地やその他の重要産業を買収することを禁止すると発言した。

トランプ氏はSNSアプリ「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」に投稿した動画の中で、中国の広範な経済的影響力によって、米国が共産主義政権の支配下に置かれる危険性があると指摘。「エネルギー、テクノロジー、通信、農地、天然資源、医薬品、その他国家戦略資産を含む米国内のあらゆる重要インフラに対する中国の所有権を新たに制限する必要がある」と強調した。

全米不動産協会によると、2021年4月から2022年3月までに中国の投資家が米国の住宅に費やした金額は61億ドルに上り、支出額では最大の外国人バイヤーとなった。

近年、エネルギーインフラの建設や米軍基地近くに中国が土地を購入していることをめぐり、議員や住民の間で懸念する声が高まっている。国家安全保障分野の専門家は、中国が米土地を買収することで中国共産党が国内の重要インフラを破壊したりスパイ活動を強化したりする恐れがあると指摘している。

大統領選ではトランプ氏のライバルと目されているフロリダ州のデサンティス知事は10日、「フロリダの経済に中国共産党の影響力を持ち込む必要はない」として、経済・安全保障上の理由から中国企業の同州での不動産購入を禁止することを検討していると述べた。

いっぽう、対米外国投資委員会(CFIUS)は12月、中国の化学調味料メーカー・阜豊集団がトウモロコシ製粉プロジェクト用に購入したノースダコタ州の農地について「審査する管轄権がない」と判断した。この農地はグランドフォークス空軍基地にほどなく近い。

グランドフォークス空軍基地は重要な軍用無人機技術を運用しているほか、新たな宇宙部隊の早期警戒システムの拠点にも近いことから、米議員らは米軍活動の監視に使われる可能性があると指摘していた。

米国ではこうした議員の働きかけが相次いでいるものの、土地購入に焦点を当てるだけでは、中国共産党がもたらす脅威に対抗することはできないとトランプ氏は指摘する。「米国の国家安全保障を危険にさらす保有物を中国に売却させるプロセスを始めるべき」と訴えた。

「これをしなければ、米国は中国に所有されることになる」「経済的安全保障は国家安全保障だ」と語気を強めた。

在任中、トランプ氏は中国共産党がもたらす国家安全保障上の脅威への取り組みに重点を置き、対中強硬策を採用してきた。トランプ政権は、安全保障上の懸念から中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に厳しい規制をかけたほか、中国軍関連企業への投資を禁止した。セキュリティリスクを理由に、中国動画投稿アプリ「TikTok」や「WeChat」の利用禁止令も出した。

Eva Fu
エポックタイムズのライター。ニューヨークを拠点に、米国政治、米中関係、信教の自由、人権問題について執筆を行う。