米共和党、中間選挙集計中に執行部選挙…「古くて死んでいる」 議員、体制一新求める

2022/11/18
更新: 2022/12/04

米共和党は2022年中間選挙で下院過半数獲得は確定したものの上院の奪還は果たせなかった。上院議員からは「古さを捨てて新しさを構築」する必要があると体制一新を求める声があがる。マルコ・ルビオ氏ら一部の共和党議員は、中間選挙集計中に院内総務選出選挙を行うことに意見していた。

ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州選出)は、「旧党は死んだ。葬り去るときだ。新しいものを作ろう」とツイッターに書き込んだ。その前日にも「共和党の上院執行部は、有権者の支持するイニシアチブを実現できなかった」と党幹部を批判した。

「共和党の政策は8日夜(投開票日)大敗を期した。銃規制とグリーンニューディールでチャック・シューマー(民主党)議員に屈した。社会保障とメディケアに対応しないなら、共和党は負け続ける」とホーリー氏は指摘した。

ホーリー氏のほかマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)、リック・スコット上院議員(同州選出)は、共和党に対して、上院執行部投票の延期を求める書簡を回覧したと報じられている。これに関してマコネル上院少数党院内総務は出ていない。

党運営をめぐって、マコネル氏の更迭を求める声がトランプ前大統領をはじめ共和党内では出ていた。

「ジョージア州では決選投票があるというのに、共和党上院がなぜこの選挙が終わる前に、次の議会の院内総務投票を行うのかわからない。決選投票がどうでもいいとでも言うのだろうか」とホーリー氏は書き込んだ。党執行部投票は中間選挙の後に行う必要があると、ルビオ氏も訴えた。

この申し出は届かず執行部選挙は行われ、現職のミッチ・マコネル氏が17日、院内総務に再選した。スコット氏が挑戦したが35票対10票で敗れた。

奇妙な結果

中間選挙前の多くの世論調査では、ネバダ州の共和党候補アダム・ラクサルト氏がキャサリン・コルテス・マスト上院議員(民主党)を5ポイントも引き離していた。景気後退、インフレ、ガソリン価格などバイデン大統領の低支持率などに対する不満から、議会では「赤い波」が起きると主張する予想家もいた。

共和党が上下両院でそれほど多くの議席を獲得できないことが明らかになると、マコネル氏、ケビン・マッカーシー下院少数党院内総務、ロナ・マクダニエル共和党全国委員会委員長など党執行部の責任を問いただす声が目立っている。

また、トランプ大統領が支持した上院議員候補が落選したため、その敗因をトランプ氏のせいだとの指摘もある。一方で、先週約20%ポイント差で再選した、フロリダ州のロン・デサンティス知事には共和党の大統領選候補としての期待が高まっている。

下院選では、共和党が民主党候補より約600万票多く獲得したが多くのレースで敗退した。エポックタイムズの寄稿者であるニュート・ギングリッチ前下院議長は、この最終結果は奇妙なものだと述べた。

選挙結果を受けて、ギングリッチ氏は「今回ほどの誤りはない。すべてモデルを並べ、この事態を分析し整理する必要がある。そのために十分な時間を費やさねばならないと認識している」と語った。

(翻訳・大室誠)

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。