21世紀に現れた「白無常」という死神【現代中国キーワード】

2022/10/21
更新: 2022/10/21

白無常
10月10日、台湾の建国を祝賀する「双十節」の式典に、海外からは初めての団体として、京都橘高校吹奏楽部が参加した。

あの大舞台で、彼女たち(男子部員もいたが)が披露した圧巻のパフォーマンスは、台湾の人々を魅了した。日本の高校生による、輝くような青春がなし得た、痛快な一事であったと喜びたい。

オレンジデビルの愛称で知られる同校の吹奏楽部は、台湾で「橘色悪魔」と報道された。漢字で書くと「悪魔」の部分が少々きつく目に映る。顧問の先生によると「難しい技でも笑顔でやってしまうところが悪魔なのです」とのこと。それを聞いて、なるほどと大いに納得した。

一方、大陸中国のほうでは、コロナ禍の2年前から「恐ろしい悪魔」が巷に出現し、人々を震え上がらせている。白い防護服に身を包み、暴力的に民衆を検査に追い立てたり、建物に閉じ込めたりする、あの連中である。

人々は彼らを、怨嗟の思いを込めて「白無常(バイウーチャン)」と呼ぶ。
この無常(むじょう)とは、日本文学の無常観とは全く関係がなく、中国で「冥界から死者を迎えに来る死神」を指す。

細かく言うと、「白無常」と「黒無常」がいる。死にそうな病人の枕元に来て、ニヤリと笑いながら「お迎えに上がりました」と言うのだ。これに連れて行かれると、生きて帰ってくることはない。

もちろん、白無常などは下っ端に過ぎない。この地球上に実在する最悪のものは、中国共産党という「赤い悪魔」である。