米国防総省、ドローン世界最大手DJIを「中国軍の関連企業」リストに追加

2022/10/07
更新: 2022/10/07

米国防総省は5日、ドローン世界最大手DJI(大疆創新科技)など中国企業13社を、米国で活動する「中国軍の関連企業」リストに追加したと発表した。2021年国防権限法の1260H条に基づく措置で、商務省は米国企業に対してDJIとの取引などを制限する追加措置を取ることが可能になる。

中国軍の近代化のために民間で開発された研究・技術を取り入れる国家主導の「軍民融合」政策に対抗することを目的としている。現在、中国通信大手の中国聯通(チャイナユニコム)や通信機器大手「華為技術」(ファーウェイ)など、60社が「米国内で直接的または間接的に活動している」中国軍関連企業リストに加えられている。

同条項では、中国軍が所有あるいは支配する企業、または中国国防産業基盤に貢献し軍民融合を支援する企業を「中国軍の関連企業」と定義している。大紀元の取材に答えた国防総省の広告担当者は、DJIがどちらの定義に該当するかは明言を避けた。

業界情報サイト、ドローン・インダストリー・インサイトによれば、昨年3月までの米ドローン市場シェアはDJIが75%以上と独占している。

しかし、DJIには前トランプ政権時代から国家安全保障上の懸念が指摘されてきた。米政府は昨年12月、中国人民解放軍の軍事開発や人権侵害に関与しているとして、DJIを投資禁止対象に加えた。2020年には輸出管理対象とする「エンティティーリスト」に追加し、政府機関の調達を禁止した。

(翻訳編集・山中蓮夏)

エポックタイムズ特派員。専門は安全保障と軍事。ノリッジ大学で軍事史の修士号を取得。