日本は中国に対し「既に劣勢」 岸補佐官、防衛費の「真水」増額訴える

2022/09/30
更新: 2022/09/30

岸信夫首相補佐官(国家安全保障担当)は29日、軍事力拡張の著しい中国と比較して、日本は既に劣勢に立たされていると危機感を示した。防衛費増額の議論については、真に自衛隊が使える予算を増額することが肝要だと訴えた。

日中国交正常化50周年に当たる9月29日、岸補佐官は政経セミナーで国家安全保障戦略について自身の考えを示した。日本は今後、中国・ロシア・北朝鮮の三正面での対応が迫られるとし、軍拡を続ける中国に強い懸念を示した。

岸氏は、米国との同盟関係は強固でありながら、「自身の国を自身で守る『国家の姿勢』を示す事が何より重要」だと指摘。防衛力強化の源となる防衛費の「相当な増額」は不可欠だと強調した。

防衛費をNATO水準であるGDP比2%に増額することについては、中身のある予算編成が必要だと訴えた。日本の防衛費はGDP比率約1.09%だが、NATO基準では沿岸警備隊(海上保安庁)の予算や退役軍人の年金なども含めるため、現時点で1.24%となる。

これを踏まえて岸氏は「海保や科学技術予算を何でも理由を付け防衛費へ含めて考えようとする議論が一部から出ているが、大切なのはこうした数字のマジックに捉われず、真に自衛隊が使える予算、いわゆる真水の増額が出来るかが重要」との考えを示した。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。