日本の防衛省は、中国と北朝鮮のミサイル脅威が迫っていることを受けて、ミサイルベースの反撃能力の開発を目指している。 海上自衛隊のイージス艦隊に新たに追加される2隻には、長距離巡航ミサイルと超高速滑空兵器が装備される可能性がある。 防衛省は、このための費用として最大規模の予算を要求している。
浜田靖一防衛相は2022年9月2日に記者団に対し、「イージス艦2隻は状況に応じて常に継続的に日本を守り、様々なミサイルの脅威に対応できる能力を持つべきだと考えている」と述べた。
浜田防衛相は、イージス艦には超音速兵器の能力と長期配備に耐える能力が含まれる予定であるとした上で、2023年度予算要求にはイージス艦の設計と部品の取得が盛り込まれており、就役に向けて加速される予定だと述べた。
アメリカ海軍協会が公開するUSNIニュースのウェブサイトによると、浜田防衛相は「5年以内に防衛能力を大幅に強化することは極めて重要なイニシアチブであると考えている」と述べている。
日本の日経アジアのニュース誌が報じたところによると、これまでで最大額となる予算要求額は6兆1,700万円相当(430億米ドル)に上るとみられる。
米国が開発したイージス弾道ミサイル防衛システムに組み込まれる新型駆逐艦は、日本の防衛省の資料によると、全長210メートル、排水量約2万トンの日本最大の駆逐艦となり、8隻のイージス駆逐艦からなる艦隊に加わる。 就役時期については、まだ発表されていない。 2007年度に日本の艦艇として初めてイージスシステムを搭載した「こんごう」の場合、試験に数年を要した。
2022年8月17日にオンライン雑誌「ネイバル・ニュース(Naval News)」が報じたところによると、浜田防衛相が新型駆逐艦から発射できると述べた超高速滑空弾(HVGP)は、中国の軍事力の増強を念頭に開発が進められている。
ブースターロケットによって高高度に運ばれるこの発射体は、衛星によって地上または海上の標的に誘導され、超音速で分離・滑空する。 アナリストによると、少なくとも数百キロメートルの飛行範囲を持つ超高速滑空弾は、尖閣諸島などの日本の離島の防衛に中心的な役割を果たす可能性があるという。
ネイバル・ニュースが報じたところによると、予算要求には日本の12型地対艦ミサイルの改良型も含まれ、最大射程は1,200キロとみられる。 読売新聞によると、新型駆逐艦は予算要求されている発射体を陸上の標的に向けて発射する、巡航ミサイルとして機能することが可能だ。 その射程は中国国内の標的を包含する可能性があり、日本に自衛的にミサイル発射場を破壊する能力を与え、敵の攻撃を抑止できる可能性がある。
ロイター通信が報じたところによると、日本の防衛省は予算要求を行うにあたり、中国と北朝鮮を脅威とみなしている。 2022年8月には、中国人民解放軍が台湾海峡で地域の不安定化につながる演習を行い、発射した5発の弾道ミサイルが、日本から160キロ以内の海域に着水した。 一方、北朝鮮は直近の2022年5月をはじめ、日本海に多数のミサイルを発射している。
浜田防衛相は、日本の新兵器はあくまで自衛のためのものであることを強調した。
さらに、「性能が相手国土の壊滅的な破壊にのみ使用される、いわゆる攻撃的兵器を保有することは、自衛に必要な最小限の範囲を直ちに超えている」とした上で、 「したがって、我が国はそれがいかなる場合でも許容されないと考えており、この一貫した見解を変えるつもりはない」と述べた。
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