[ロンドン 13日 ロイター] – ウクライナ軍がロシア軍に対する反転攻勢を強め、東部を中心に領土を奪還していることについて、西側当局者は13日、戦争の転機になるか判断するのは時期尚早との見方を示した。
タス通信は、ロシア国防省が10日にウクライナ東部ハリコフ州の要衝イジューム周辺のロシア兵に撤退を命じ、ドネツク州の他の作戦を強化するよう指示を出したと報道。ウクライナのゼレンスキー大統領は、9月1日以降に南部と東部で合計6000平方キロメートル以上の領土を解放したと表明している。
当局者は匿名を条件に「ロシア軍の撤退の性質について議論が続いている。厳密に軍事的に考えると、参謀本部が命令した撤退であり、軍の完全な崩壊ではない公算が大きい」とし、「戦争の転換点か判断するのは尚早」と指摘。ウクライナ軍による領土奪還は「明らかに劇的」としながらも、「ロシア軍が防衛を容易にするために戦線を短縮し、そのために領土を犠牲にしたという点で、良い決断をしたことを考慮する必要がある」と述べた。
その上で、ロシア軍は複数の前線で攻撃にさらされているため、直ちに失った領土を取り戻そうとはせず、当面は統合を図ると予想。ただ、将来的にハリコフを取り戻そうとする可能性はあるとの見方を示した。
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