米S&P、今年の中国不動産販売3割減と予測  

2022/07/30
更新: 2022/07/30

米国の格付け大手S&Pグローバル・レーティングはこのほど、中国の不動産販売数が、今年3割減少する見通しだとする最新の評価を発表した。この冷え込みは2008年の世界金融危機の時よりも深刻だという。

長期未完成物件の購入者らが住宅ローンの支払いを拒否するケースが急増したためだとした。

「不動産市場への信頼は失墜している」とS&P理事のエステル・リュウ氏は指摘した。

同氏は27日、CNBCのインタビューで「販売数が20%下落した08年の金融危機の時よりも状況は深刻だ」と話した。

「住宅購入者らはお金を支払ったのに、家が手に入らない事態が起これば、社会不安を引き起こすだろう」とも分析した。

「もし状況が改善されなければ、不動産販売の減少に伴い、より多くの開発業者が経営難に陥りかねない」とリュウ氏はさらなる混乱に警鐘を鳴らした。

6月下旬以降、全国各地で数百の未完成物件の購入者がマンションの建設を終えるまで、支払いを拒否すると表明した。ブルームバーグは5610億元(約11兆5000億円)の不良債権が発生すると試算した。中国の住宅ローンの2.5%、ローン全体の0.5%に影響する可能性があると見積もっている。

昨年、中国政府は高騰する不動産価格を抑制するため、開発業者への資金供給を制限した。資金難に陥った業者は相次ぎ債務不履行をした。

28日に発表されたブルームバーグ通信の長者番付「ブルームバーグ・ビリオネア指数」によると、アジアNo.1の女性富豪として知られる中国の楊惠妍氏の保有資産は237億ドル(約3兆1570億円)から113億ドル(約1兆5052億円)に激減したという。

楊氏は中国最大の不動産開発会社「碧桂園(カントリー・ガーデン)」の創業者の娘で、同社の大株主でもある。

北京は不動産危機を緩和し、経営難に陥っている不動産開発業者を支援するために、中断された建設プロジェクト向けに1兆元(1482億ドル)の融資を提供する方針だ。

(翻訳編集・李凌)

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