17人が死傷した2008年の秋葉原無差別殺傷事件で殺人などの罪に問われ死刑が確定していた加藤智大死刑囚(39)の刑が26日、執行された。古川禎久法務大臣は記者会見で「極めて重大な結果を発生させ、社会に大きな影響を与えた痛ましい事件」であるとし、「死刑を科することもやむをえない」と述べた。
確定判決によると、加藤死刑囚は2008年6月8日午後、東京・秋葉原の歩行者天国にトラックで突入した後、ダガーナイフで通行人らを刺した。女性1人と男性6人が死亡し、男女10人が重軽傷を負った。
11年の東京地裁判決では、加藤死刑囚の刑事責任能力を認め、死刑を言い渡した。2審の東京高裁も元判決を維持し、15年の最高裁判決で死刑が確定した。
古川法務大臣は事件について「周到な準備のもと、強固な殺意に基づき残虐な対応に基づき敢行された無差別殺人事件である」とし、「極めて重大な結果を発生させ、社会に大きな影響を与えた」と指摘。「罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては、死刑を科することもやむをえない」と述べた。
会見で出た死刑廃止の意見については「諸外国の動向を参考にしつつも、基本的には、それぞれの国において、国民感情、犯罪情勢、刑事政策のあり方などを踏まえて、独自に決定すべき問題である」との考えを示した。
また、「法治国家においては、確定した裁判の執行が適正に行われなければならない。特に、死刑の判決は極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対し、裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものである。法務大臣としては、裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って、慎重かつ厳正に対処すべきものと考えている」と述べた。
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