中国国家衛生健康委員会のこのほどの発表によると、中国の昨年の出生数は1062万人と1949年の建国以来、最低水準となった。
前年比で138万人減少した。31省のうち29省で昨年の出生数が激減しているという。出生数が50万人を超えたのは広東、河南、山東、四川、河北、安徽の6省のみで、ほかの省は数十年ぶりの低水準に落ち込んでいる。
出生数が最も高かったのは広東省(118万3100人)で、同省は4年連続でトップの座を維持している。これに対し、安徽省の出生数は4年連続で下落し、2017年に比べ昨年は47.6%も減少している。
17年と比べると、昨年の出生数は山東省では57.1%減少して174万9800人、河南省では43.4%減少して140万1300人、湖南省で47.9%減の90万8000人、江西省で40.6%減の63万5000人と軒並み激減した。
中国メディア「第一財経」23日付は、この出生数の減少傾向を「断崖式の下落」と表現した。
出生数減少の原因について、広東省人口発展研究院の院長で、人口専門家でもある董玉整氏は、「出産適齢期の女性の数の減少のほか、晩婚化や結婚費用の高騰、パンデミック」などを挙げた。
中国当局は少子化に歯止めをかけるため、1組の夫婦に3人目の出産を認める方針を打ち出したが、出生数の改善に繋がらなかった。
過去の中国の好景気は主に、人口に対する労働力が豊富な「人口ボーナス」によって大きく支えられてきたが、これが消えつつある今、ベトナム、バングラデシュ、インドなど豊富な労働力を有する国が、中国に取って代わろうとしていると台湾メディア「自由時報」は指摘した。
現在、製造業における中国の労働コストはすでにベトナムの2倍以上に跳ね上がっているという。
学術機関「上海社会科学院」の研究チームは、「2021年以降、中国の人口は毎年1.1%の割合で減少するだろう」と予測した。
国際連合が今月公表した「世界人口予測」によると、「23年にもインドが中国を抜いて、世界で最も人口の多い国になる」としている。
(翻訳編集・李凌)
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