英金融大手HSBC中国子会社に党支部設置 懸念の声

2022/07/25
更新: 2022/07/25

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)21日付けによると、英金融大手HSBC(香港上海銀行)ホールディングスは中国本土の子会社に「中国共産党の党組織」を設置した。報道を受け、政界から批判の声が上がった。

英議会外交委員会のクリス・ブライアント(Chris Bryant)議員は懸念を示した。

同議員は昨年、同委員会の公聴会で共産党組織の設立について、HSBCのノエル・クイン最高経営責任者(CEO)に質問した。当時、クイン氏は「党組織の存在も、従業員の政治思想も把握していない」と発言している。

米連邦捜査局(FBI)長官は2020年7月、「中国でビジネスを展開する米国企業の中にも共産党組織が設置されている」とし、警戒を呼び掛けた。

中国では国有、民営を問わず企業に3人以上の党員がいれば、党支部の設置を許可する義務がある。

当時の斉玉・中央組織部副部長は17年10月、70%の外資企業に党支部を設置したと明かした。

HSBCは「党支部の設立は事業の方向性に影響を与えず、日常業務においても正式な役割を担うことはない」とする声明を発表。

HSBCは香港で創設され、英国に本社を構えている。アジアに業務が集中している同社は現在、中国証券合弁会社の90%を所有している。

(翻訳編集・李凌)