[北京 29日 ロイター] – 中国政府が新型コロナウイルスの感染対策として入国者に義務付けている隔離期間を短縮すると発表したことを受け、中国で国際線の航空券の検索が急増している。
同国の複数のオンライン旅行会社が明らかにした。2年に及ぶ厳しい規制の終了で累積需要が顕在化している可能性がある。
中国の旅行サイト「Qunar」は、隔離期間短縮のニュースから1時間以内に検索件数が2倍以上に増加したと表明。国際線の航空券の購入が前週比で60%増加したことを明らかにした。
ライバルの「Ly.com」も同様の検索件数の増加を報告。日本、シンガポール、韓国などから中国に向かう便の航空券に対する関心が急増していることを明らかにした。
隔離期間の短縮に対しては、外国の商工会議所から旅行会社までさまざまな団体が歓迎の意向を表明しているが、早期の旅行再開には慎重な見方が多い。
航空便の不足に加え、必要不可欠でないと判断される理由で海外に渡航する中国人に対する新規の旅券発行が制限されていることが背景だ。
また、中国に乗り入れる航空会社は搭乗率を40─75%に制限されているほか、新型コロナ陽性の乗客が一定数に達した場合、航空会社にフライトの停止を求める「サーキットブレーカー」制度も導入されている。
コンサルタント会社のバリフライトによると、マカオ、香港、台湾への地域便を含む今年の国際線の本数は28日時点で、新型コロナ流行前の4%程度にとどまっている。
航空券の価格も通常の何倍にも達している。例えば、中国東方航空のシンガポール発・上海着便の7─9月の片道航空券は5万─7万元(7460ドル─1万0594ドル)だ。
上海の旅行代理店の幹部は「海外団体旅行の手配は不可能だ」と語った。
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