中国、高官らの海外資産保有を禁止 台湾にらみ準備着々か

2022/05/20
更新: 2022/05/20

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は19日、中国共産党が3月に幹部とその家族が海外に資産や株式を保有することを禁じる方針を通達したと報じた。中国が台湾に武力侵攻した際、中国の高官らが西側諸国からの制裁の対象にならないための対策だとみられる。

報道によると、共産党中央組織部は、閣僚級以上の幹部の配偶者と子どもに対し、海外にある不動産や、海外で設立している企業などの株式を直接、および間接的に保有することを禁止した。共産党は、ロシアがウクライナに侵攻した後、西側から厳しい制裁を受けていることを踏まえて、こうした方針を打ち出したという。

情報筋の話では、高官らとその直系親族は留学などの正当な理由を除き、海外金融機関での口座開設も禁じられた。一部の高官は通達を受け、海外企業の株式を売却したという。

大紀元コメンテーターの李林一氏は、「WSJと4月の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道を合わせてみると、明らかに中国が米国などの制裁を回避するために着々と準備を進めているのがわかる」と指摘した。

FT紙4月22日付では、中国人民銀行(中央銀行)や財政部(財務省)の関係者と英金融大手HSBCを含む数十人の外国金融機関の幹部が会議を行い、「地域軍事衝突」などが起きた場合に、米国主導の制裁から中国の海外資産を守る方法について話し合った。同紙は、地域軍事衝突とは「中国の台湾侵攻と考えられる」との見方を示した。

張哲
張哲