欧州委員会、リトアニア財政支援策を承認 中国の貿易制限措置を受けて

2022/04/28
更新: 2022/05/02

欧州委員会は26日、中国から差別的な貿易制限措置を受けているリトアニア企業を支援するとし、1億3000万ユーロの財政支援策を承認した。

欧州委員会は中国の貿易措置で影響を受けた企業が事業戦略を立て直すことが重要だとし、企業に最大500万ユーロを融資すると発表した。2027年12月31日まで、または中国による措置が解除されるまで実施するという。

台湾との関係強化を掲げるリトアニアは中国からの経済的圧力に直面している。台湾は昨年11月、大使館に相当する代表機関「台湾代表処」を首都ビリニュスに開設した。同国が欧州に置く代表機関として名称に初めて「台北」ではなく「台湾」と表記している。

これに反発した中国は外交関係引き下げや輸入制限など対抗措置を導入。EU加盟国の企業に対しても、リトアニアの材料を使った製品を中国へ輸出しないよう圧力をかけている。中国税関によればリトアニアからの輸入は今年1月〜3月で前年比約8割減となっている。

台湾もリトアニアとの経済協力を目指しており、1月には両国共同事業プロジェクトに10億ドルの融資基金を設立すると表明した。

欧州委員会は1月、中国がリトアニア産品に差別的な輸入制限を課しているとして世界貿易機関(WTO)に提訴した。昨年5月には、新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐる対立から2020年末に基本合意した投資協定を凍結する決議を採択している。

米国をはじめ国際関係担当。