宗教の自由侵害した中国当局者に制裁求める=米国際宗教自由委員会

2022/04/27
更新: 2022/04/27

米政府系機関・米国際宗教自由委員会(USCIRF)は25日、27カ国を対象とした2022年度年次報告書を発表した。中国の「信教の自由」の状況は悪化したと結論づけ、法輪功学習者やチベット仏教徒などへの人権弾圧を非難した。米国政府に対しては引き続き中国を「特別懸念国」に指定するよう呼びかけた。

報告書は、中国共産党は宗教団体に対して強引な同化政策を実施し、同党の「イデオロギーを強要している」と指摘した。その上で中国共産党中央委員会の「統一戦線工作部」直轄の下部組織などは新たな法律措置を発表し、宗教団体学校やオンライン上の宗教コンテンツを制限していると述べた。さらに法輪功やキリスト教などを特別指定して安全保障の名目から弾圧していると明記した。

新疆ウイグル自治区での迫害について、中国共産党は引き続きウイグル人を恣意的に投獄し、身体的・心理的拷問や性的暴力、強制不妊手術を行なっていると非難した。さらに、中国当局は88万人ものイスラム教徒の子どもを親から引き離し、同自治区の重要な宗教・文化施設を破壊したと述べた。

今世紀最大の人権侵害に挙げられる法輪功学習者への弾圧についても言及した。報告書は法輪功学習者を「特に迫害を受けやすい」団体と表現。法輪功情報サイト「明慧」の情報を引用し、昨年、当局は何千人もの法輪功学習者に嫌がらせや逮捕し、892人に実刑判決を言い渡したと記した。
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米国国務省は昨年5月、法輪功学習者への迫害に関与したとして、法輪功迫害機関「610弁公室」元主任、余輝氏とその家族に対するビザ発給停止の制裁措置を発表している。

チベット仏教徒の弾圧について、中国共産党はチベット自治区に関する「白書」を発表し、チベットにおける宗教の中国化を推進していると強調した。地方当局はチベット仏教の僧院で僧侶や尼僧を教化するセミナーを開催したほか、宗教的意義のある場所やシンボルを破壊し、ダライラマ14世の肖像を所有するチベット人を拘束して処罰していると述べた。

USCIRFは政府に対して、信教の自由を侵害する中国政府高官に対するビザ禁止や資産凍結など制裁を拡大するほか、同志国らと協力し、中国共産党の人権侵害の責任を追及するよう求めた。

米国をはじめ国際関係担当。