上海市トップが視察、住民ら食料不足を訴える

2022/04/13
更新: 2022/04/13

都市封鎖が続く上海市のトップである李強・市党委員会書記が11日、市内の団地を視察した際、住民らは食料不足をめぐって不満をぶつけた。

SNS上の動画によれば、李強氏は市内のある団地で女性住民3人と会話をした。3人のうち、車椅子の女性が李氏に対し、大声で食料の配給が足りないと訴えた。女性の訴えに、李氏はうなずき説明している様子だった。いっぽう、これを見物していた他の住民も、李氏を指さし「あなたたちは国家に罪を犯した」などと叫んだ。

他の動画では、団地のマンションから李氏らの市高官に訴える「助けて」「食料が底を突いた」などの叫び声が響いた。

同市静安区の住民、李晶さん(仮名)は「昨日午後、李強氏らが私たちの団地を訪ねて来た」と大紀元に話した。

李晶さんは視察に立ち会えなかったが、「李強氏らと直に会った住民らによると、何人かが李強氏に対して、都市封鎖が始まってから市政府は2回しか食料を配給しておらず、量も少ないと怒りをあらわにした」と述べた。李強氏は住民に「皆さんの意見をまとめて上層部に報告する」と返答したという。

李晶さんの団地では12日ごろ、市政府から米2.5キロが配給された。「今、野菜や肉などは全く手に入らず、食事は白ごはんしかない」という状況だ。

李晶さんは「実は各地から支援物資が多く入っている。市がそれらを市民に配っていない。野菜や果物が腐り、結局廃棄されたと聞いた」と話した。

上海市は中共ウイルス(新型コロナ)の感染拡大を封じ込めるために3月末から都市封鎖を始めたが、効果薄であることが浮き彫りになった。

12日、中国衛生当局、国家衛生健康委員会の雷正龍・疾病予防管理局副局長は会見で「上海では8日連続で新規感染者が1万人を超え、感染拡大期にある。コミュニティでの感染は抑えられていない」と述べた。

(翻訳編集・張哲)