米国サプライチェーンの弱点を露呈 中国ロックダウンは策略か=専門家

2022/04/12
更新: 2022/04/12

中国共産党が上海市などで実施している厳しいロックダウンは、米国や同盟国のサプライチェーンの弱点を一層際立たせるための策略である可能性がある。定期的に中国を訪ね中国市場リスクなどを調べる投資会社マクロレンズLLCのブライアン・マッカーシー氏は4日、大紀元の動画コンテンツ「EpochTV」に出演した際に述べた。

上海では3月28日から東西に分けて段階的にロックダウンを開始した。中国経済に2週間で290億ドルの損失をもたらすとの試算が示されるいっぽう、米国や同盟国が被るコストはさらに深刻かもしれない。

マッカーシー氏は世界のサプライチェーンの混乱やインフレの加速により、米国の弱点が露呈したと指摘した。中国共産党は米国経済の苦境を十分に認識しており、その脆弱性を示すためにこの時期を選んだのではないかとみている。

中国が西側諸国に比べてはるかに有利な立場にあるなか、「米国はこれ以上のサプライチェーンの混乱に対処することはできない」と述べた。このため西側諸国では「食糧やエネルギーの価格が劇的に上昇する可能性がある」と危機感をあらわにした。

マッカーシー氏は、中国共産党が台湾への拡張主義的な政策を追求し続ける中で、中国のサプライチェーンに西側諸国がいかに依存しているかを露呈し、自らの有利性を確保しようとしているのではないかとの分析を示した。

中国共産党に強硬姿勢を取らなければ、同党はさらに増長を続ける可能性もあるという。「香港では何が起こったのか。米国は、香港の民主主義を事実上破壊した中国共産党に平手打ち程度のことしかしていない」

いっぽう、中国経済は信用に大きく依存する不動産部門を中心に、深刻な問題を抱えているとも述べた。マッカーシー氏は、不動産部門の売買高と価格の下落が続くと予想している。

「不動産は、中国における信用の担保として重要な役割を担っている。だから、信用創造には非常に厳しい逆風が吹いている。外的なインフレ圧力にもかかわらず、中国国内の動きは強力なデフレになるだろう」