中国軍、南シナ海などで夜間訓練強化 21年は一昨年の3倍

2022/04/05
更新: 2022/04/05

中国軍は米軍の頻繁な偵察活動などに対抗して、黄海や東シナ海南シナ海夜間訓練を増やしていることがわかった。

香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト2日付は、台湾の海軍軍官学校の元教官である陸立時氏の話として、中国軍は2021年、黄海、東シナ海と南シナ海で約100回の夜間訓練を行ったと報じた。うちの70回は「夜中の12時から夜明けの間で行われた」。

これに比べて、中国軍が20年の1年間に行った夜間訓練はわずか30回だった。夜12時からの訓練は11回にとどまっている。

中国の軍事科学シンクタンク「遠望智庫」の周晨明研究員は同紙に、中国軍は各海域で活動する米軍機や軍艦を念頭に、軍事訓練のタイムテーブルを新たに調整したと話した。米軍艦隊などは通常、夜中の12時から翌日午前2時の間で活動しているためだ。

周研究員によると、中国軍は現在、東シナ海、南シナ海での軍事演習や訓練に力を入れている。「米軍機が韓国、日本、フィリピンなどの米軍基地から出発し、中国の沿岸地域で接近偵察を増やしているからだ」

中国国営中央テレビ(CCTV)は3月30日、軍の夜間訓練を紹介する映像を放送した。映像では、中国海軍052D型駆逐艦「淄博」と054A型フリゲート艦「揚州」が率いる艦隊は3月、東シナ海で2日間の実弾演習を行った。

中国海軍は3月に海南島海域で071型揚陸艦を運用し、昼間と夜間の軍事演習も行ったという。CCTVの映像によれば、海軍陸戦隊の兵士らが夜間に複数台の05型水陸両用歩兵戦闘車と05型水陸両用突撃車を運転し島に上陸した。

中国共産党指導部は、ウクライナで苦戦するロシアを見て、台湾問題で戦略を見直す可能性があるとの見方が強まっていた。AFP通信は、中国軍が現在、夜間訓練などを強化したことから、台湾侵攻の計画は変わっていないかもしれないと指摘した。

(翻訳編集・張哲)