米国の中国問題に関する超党派の連邦議会・行政府委員会(CECC)は3月31日、中国の人権と法治状況に関する2021年の年次報告書を公表した。
年次報告書は、CECCは過去1年間、新疆ウイグル自治区での大虐殺と香港の民主化運動への弾圧のほかに「中国政府が憲法を含む国内法や、国際的な人権基準への違反について検証してきた」と明らかにした。
同委員会の共同委員長を務めるジェフ・マークリー上院議員(民主党)は声明の中で、「中国国民のニーズを満たし、中国国内および世界における基本的な権利を尊重することに関して、中国の統治モデルに限界があると報告書は警告した」と述べた。
CECCの共同議長であるジム・マクガバン下院議員(民主党)は「中国政府による人権侵害行為を記録することは、委員会の使命だけでなく、弾圧や検閲のために自らの境遇を話せない人々に対する私たちの道徳的な義務でもある」と声明の中で述べた。
2021年年次報告書は、中国政府は言論の自由を封殺するために、世界各国の政府に対しても「経済的脅迫」を行っていると批判した。
中国政府が弾圧する伝統気功グループ、法輪功に関して、報告書は法輪功情報サイト「明慧網」の報道を引用し、中国政府は引き続き過去1年間、法輪功学習者を恣意的に拘束し、拷問を行っていると批判した。20年に622人以上の学習者が不当判決を受けた。また、20、21年の2年間に数十人の学習者は拷問で死亡した。
報告書は中国系カナダ人の法輪功学習者、孫茜さんの迫害事例を紹介した。孫さんは北京市でバイオ関連会社を創業し、会社の取締役や副社長を務めていた。17年2月、北京市警察は令状のないまま、孫さんを逮捕した。拘束後、警官らは催涙スプレーを噴射するなど、孫さんに拷問を行った。20年、孫さんは懲役8年を言い渡された。
報告書は「香港市民やウイグル人に移民ルートを拡大し、中国の迫害から逃れる人々を保護していく」「米国の企業や個人を中国の検閲や脅迫から守るために『中国の検閲に関する監視・行動グループ』を立ち上げる」「香港警察への監視用設備などの輸出禁止を延長する」などを米議会と政府に提案した。
CECCは、中国の組織的な人権侵害と人権問題に関する国際条約上の義務の不履行は「ルールに基づく国際秩序への挑戦である」と強調した。
(翻訳編集・張哲)
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