TikTok、「おすすめ」動画にウクライナ情勢の偽情報を表示=米調査機関

2022/03/23
更新: 2022/03/24

ウェブサイトの信頼性を評価する米国の民間調査機関、ニュースガード(NewsGuard)はこのほど、中国の動画共有アプリ「ティックトック(TikTok)」国際版は、ウクライナでの戦争に関して誤解を招くコンテンツをユーザーに提供しているとの調査結果を発表した。

アナリスト6人から構成した調査チームはTikTok国際版で新規アカウントを作成した。調査員らがパーソナライズされた「おすすめ(ForYou)」ページでウクライナ戦争に関する動画を検索した後、約40分以内に虚偽、または誤解を招くコンテンツが表示されたという。

偽情報は親ロシアと親ウクライナの両方によって発信されている。なかに「ウクライナ戦争に関する映像は偽物である」「米国がウクライナに生物兵器研究所を開設している」「米軍がウクライナに向かっている」などの内容が含まれているという。

ニュースガードは、「TikTokのアルゴリズムが調査員に提供した動画の中に、ニュースガードのロシア・ウクライナ偽情報追跡センターが以前確認したロシア側のプロパガンダもあった」と示した。

フランス語圏の調査員がTikTokにログインして29分以内に、「ウクライナでの流血はその責任がウクライナの権力者にある」などを主張するプーチン露大統領の演説ビデオが表示されたという。

TikTokで「ウクライナ」や「ドンバス」などの用語で検索すると、表示された上位20件の結果には偽情報を含む複数の動画が提案された。

英紙ガーディアンは2019年6月、TikTokの運営元であるByteDance(バイトダンス)がモデレーター向けに配布しているガイドラインで、天安門事件やチベット独立支援など中国の外交政策に都合の悪い動画を検閲するよう指示していると報じた。

ニュースガードのロシア・ウクライナ偽情報追跡センターは、「中国政府系ニュースサイトは、米国がウクライナの生物兵器研究所に資金を提供しているというロシア側の宣伝を批判せず報道している」と指摘した。

ガーディアン紙は21日、TikTok上ではロシア・ウクライナ戦争に関するコンテンツが大幅に増えたと指摘し、3月20日までに#Ukraineの投稿はTikTok上で300億回以上閲覧された、と報じた。

(翻訳編集・張哲)