残飯だらけの床、洗剤水に浸けるだけで後洗浄を行わない弁当箱。中国・天津のある学校給食調理工場の劣悪な衛生環境を暴いた動画が波紋を広げている。
アカウント名「卓弟歴険記」は3月5日、短編動画アプリ「抖音」に工場の内部環境を記録した動画を投稿した。
投稿者はある日、この工場で給食配達のアルバイトをすることになった。作業現場に着くなり、「朝食を食べていなくて良かった。食べていたら吐いてた」と話した。
映像によると、作業員らはスープや残飯、腐敗したゴミが広がる床の上で弁当作りをしていた。
「午前中の仕事環境をトイレに例えるならば、午後の弁当箱の残菜ゴミ処理の仕事は、まるで肥溜めの中だ。本当に吐きそう」と我慢ならない様子だった。
弁当箱を洗浄する際、作業員らは泡だらけの洗剤水に浸かった弁当箱を取り出して山積みにしていた。水による洗浄などのプロセスは行われていないことが動画で確認できる。
この動画は瞬く間にネット上で拡散され、大きな波紋を呼んだ。
天津市は8日、関係部門の責任者4人に対して警告、解任などの処分を下した。また経営企業である「天津市欣程達營養餐配送中心」は営業許可証をはく奪され、経営者には100万元(約1850万円)の罰金が科された。
しかし、市当局は、弁当箱に対するサンプリング検査の結果は「合格」と認定した。ネット上に流れている動画は残菜処理、予備洗浄、洗浄とすすぎ、高温消毒など企業の洗浄業務の全過程を完全に反映していないと結論づけた。
今回問題になった企業が製造した弁当は、2017年にも小学生の食中毒を起こしていた。
児童らは「肉は酸っぱく、味も悪い」と給食をほとんど食べずに捨ててしまうという。
ある保護者は大紀元の取材に対して、「娘は最近、給食のご飯がネバネバしていて、食べたくないと言っている。洗剤には発がん物質が含まれているから、本当にひどい」と怒りをあらわにした。
動画の投稿者は警察署で尋問されていたことがわかった。大紀元記者が管轄の派出所に真偽を確認したが、肯定も否定もしなかった。
(翻訳編集・李凌)
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