ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、防衛力強化加速会議が3日に開催され、国際情勢と今後の重点施策について議論が行われた。岸信夫防衛相は、旧来の固定的な考えから脱却し、世界から遅れを取ることがないよう議論していく考えを示した。
「我々は、今、第二次世界大戦後の国際秩序を根底から揺るがす事態に直面している」。岸信夫防衛相は3日に開催された防衛力強化加速会議で現状に対する危機感を示した。日本国の防衛の責任を持つ防衛省は起こった現実を真正面から受け止めなければならず、「国民の命と平和な暮らしを守り抜き、日本の存立を全うすることは、国として最も重要な責務」であると強調した。
防衛力強化加速会議について、鬼木誠副大臣は「アツかった!」と自身のブログでその様子を綴った。「この国際情勢下で日本をいかにして守るか?」をめぐって、統合幕僚長や陸海空の幕僚長、事務次官、装備庁、大臣・副大臣・政務官がそれぞれ自分の考えを熱く述べたという。
鬼木氏は「危機が顕在化した今だからこそ、国民の期待の声・不安の声に、しっかり応えなければ!」との意気込みを見せた。
ウクライナ危機をきっかけに、日本国内では安全保障に関する議論が盛んに行われるようになった。岸防衛相は4日、「現下の厳しい情勢から、何が足りないのか、旧来の固定的な考えから脱却し、将来に渡り意義が低下する部分は思い切って見直し、世界の先端軍事技術に遅れをとらないように、今後も議論を進めて参ります」とツイートした。
4日の記者会見でも今後の安全保障のあり方について問う質問が上がった。「核シェアリング」の考え方について岸防衛相は「閣僚としては、政策上の方針として非核三原則を堅持していくとの考えに変わりはない」と述べた。
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ドイツが国防費を大幅に増やし結果としてGDP比2%を超えた。岸防衛相はこのことを念頭に「厳しさを増す安全保障環境の下で防衛力を強化するために必要な予算をしっかりと確保してまいりたい」と語った。
国の安全保障に関する基本方針である国家安全保障戦略について、政府は改定作業を進めている。岸防衛相はウクライナの状況を踏まえて、「しっかりしたものを立てていかなければならない」と述べた。
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