ウクライナ侵攻、中国北京大などの卒業生130人超 反戦声明に署名

2022/03/02
更新: 2022/03/02

中国の名門大学、北京大や清華大などの国内外にいる卒業生130人あまりは2月28日、ロシアによるウクライナ侵攻に反対を表明した。活動は中国当局に対して、当局が1994年に署名した「ウクライナへの安全保障提供に関する中国政府の声明」に基づき、ウクライナに安全保障を履行するよう求めている。

署名活動は、南京大学の孫江教授、北京大学の王立新教授らが26日、SNS微信(ウィーチャット)に投稿したロシアのウクライナ侵攻に対する非難声明に呼応したものだ。孫江教授らは声明のなかで、ロシア政府とプーチン大統領に戦争を直ちに停止し、話し合いで両国間の紛争を解決するよう求めた。

声明が発表された2時間後、中国当局は同声明をネット上から削除し、声明に関する情報へのアクセスをブロックした。

中国各地の10以上の大学の卒業生は28日、「ロシアのウクライナ侵攻に断固として反対する」と題した声明を公表し、署名活動を始めた。声明は、中国当局は1994年、ウクライナが核兵器などによって敵国に侵略された、あるいはこれに準する侵略行為に遭った場合、中国はウクライナに安全保障の履行を約束したと指摘した。声明は当局に、現状に相応する安全保障を履行するよう要求した。

署名活動の発起人の1人、中国人民大学卒業の魯難氏は1日、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に対して、「署名活動は北京大学の卒業生によって始まった。北京市や上海市などに在住する中国人民大学や清華大学などの卒業生も参加した。今、130人以上が署名している」

「私たちは戦争反対、平和擁護という共通の目標を持っている」と魯氏は述べた。同氏は、ネット上に投稿されたロシア軍がウクライナの民間人も標的にし殺害した動画を挙げ、「私たちはこの戦争を直ちにやめてほしいと声を上げずにはいられない」とした。

中国国内のネット上でこのほど、一部の愛国主義者がロシア侵攻を支持し、ウクライナを嘲笑したことについて、魯氏は「私たちはこれらのピンクちゃん(愛国主義者の別称)に対して怒りを覚える。これは政治問題ではない。彼らの言論は人間性に反している」と語った。

RFAによると、中国当局は現在、ネット上のロシア政府やプーチン大統領への支持を訴える発言を検閲している。

浙江大学の卒業生である馬氏は、中国では今後、ロシアのウクライナ侵攻を非難する声がさらに高まると示した。

いっぽう、在ウクライナ中国大使館の発表では、2月28日午後、ウクライナにいる中国人留学生600人余りがモルドバ共和国へ退避した。3月1日には留学生約1000人がモルドバに向けてウクライナから出国した。

(翻訳編集・張哲)