岸防衛相、北朝鮮の新型ICBMに強い危機感 米全土射程の可能性

2022/03/25
更新: 2022/03/25

北朝鮮が発射した弾道ミサイルについて、岸信夫防衛相は25日の記者会見で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級であるとし、「次元の異なる深刻な脅威だ」と述べた。24日深夜にはオースティン米国防長官と電話会談し、日米同盟の強化と日米韓3か国での連携について確認した。

岸防衛相は、北朝鮮の弾道ミサイルは1万5000キロを超える射程になりうることから、アメリカ全土を射程に収める可能性があると指摘した。

北朝鮮のミサイルは24日14時半頃、同国西岸付近から東方向に発射された。防衛省によると、ミサイルは約71分飛翔し、北海道の渡島(おしま)半島の付近の日本の排他的経済水域内に落下したと推定されている。飛翔距離は約1100キロ、最高高度は6000キロを超えたという。

岸防衛相は記者会見で、北朝鮮による弾道ミサイル発射は「わが国の安全保障に対する深刻な脅威」であると述べ、「何らの事前の通報もなくわが国EEZ内に着弾させたことは、航空機や船舶の安全確保の観点からも極めて問題のある危険な行為」として強く非難した。

岸田首相は弾道ミサイルの発射を受け、迅速な情報提供と、不測の事態に備え万全の態勢をとることを指示した。

自衛隊はP-3C哨戒機とF-15戦闘機を発進させた。北朝鮮が発射した弾道ミサイルと関連する可能性のあるものを空中で確認し、その写真を公開した。

岸防衛相は北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け、24日深夜にオースティン米国防長官と電話会談を実施した。北朝鮮による一連の弾道ミサイルの発射は国連安保理決議違反であり、ICBM級のミサイルの発射は日米両国にとって深刻なものであることで一致した。

そのうえで日米の防衛協力を強化しつつ、日米韓の3か国で緊密に連携していくことが重要だと確認した。

北朝鮮の朝鮮中央通信は25日、新型ICBMである「火星17」を前日に発射したと報じた。正恩朝鮮労働党総書は「米帝国主義との長期的対決に徹底して準備する」と述べたと伝え、敵対姿勢をあらわにした。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。