マスク氏、ウクライナに衛星通信提供 副首相の要請受けて

2022/02/28
更新: 2022/02/28

米テスラの最高経営責任者(CEO)で宇宙開発企業スペースXを率いるイーロン・マスク氏は27日、同社のインターネット通信衛星「スターリンク(Starlink)」をウクライナに提供すると発表した。ロシアの侵攻によりネット回線が遮断される懸念が高まるウクライナのフョードロフ副首相から支援要請があり、これに応じた格好だ。

フョードロフ氏は26日、マスク氏宛てにツイッターで「ロシアはウクライナ市民を攻撃している。衛星通信を提供してほしい」と訴えていた。これに対しマスク氏は「スターリンクは現在、ウクライナで利用できる。送受信機も増やす」と返答し、更なる支援に乗り出す考えを示した。

インターネットの自由を推進する「ネットブロックス」によると、ロシアの軍事侵攻以降、ウクライナではネット通信障害が発生している。

スターリンクは複数の人工衛星を利用する高速インターネット接続サービスだ。インターネット基地局がない地方などサービスが困難な地域でもネット通信を可能とする。スターリンクは1月に大規模な海底火山噴火によりに広範な被害に見舞われた南太平洋の島国トンガでも、ネット接続サービスとして提供された。

ロイター通信によると、ウクライナでは23日、複数の政府機関サイトがアクセス不能に陥り、政府は大規模なDDoS攻撃が開始されたと明らかにした。26日には、ロシアのサイバー攻撃に立ち向かうIT部隊の創設を発表している。

米国をはじめ国際関係担当。
関連特集: ウクライナ情勢