ロシアのプーチン大統領は24日、ウクライナ東部に「特別軍事作戦」を行うと表明し、同国への全面侵攻を開始した。英防衛シンクタンクの上級研究員はこのほど、「ロシアがウクライナに侵攻した場合、中国も制裁すべき。それこそ確かな抑止力だ」と主張した。
英シンクタンク、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のアーロン・アーノルド研究員は、米シンクタンクの外交問題評議会が発⾏する雑誌「フォーリン・アフェアーズ(Foreign Affairs)」17日付の寄稿記事の中で、「米国は中国に対して二次的制裁をかける決意を示す必要がある」と指摘した。
米国の二次的制裁は、一次的制裁の対象と取引を行っている第三者の企業と国を対象としている。
ウクライナ情勢が緊迫する中、中露は北京冬季五輪の開会当日(2月4日)に両国間の新たな戦略的パートナーシップを構築したと発表し、世界にその結束を誇示した。
共同声明では、ロシアと中国の「友情に限界はなく、協力する上で『禁じられた』分野はない」とした。
両国は幅広い経済協力計画を発表し、石油・ガス分野の取引だけでも1170億ドルを超えた。
アーノルド氏は「中露共同宣言がこのタイミングで出されたのは決して偶然ではない」とし、「中露関係の強化は、西側からの制裁に直面するプーチン氏の圧力を軽減した」と分析する。
天然ガスや石油という炭化水素の主要輸出国であるロシアは、中国にとって最大の石油・天然ガスの供給国の一つである。
「米国は、ロシアが欧米の制裁を逃れるためのあらゆる道を断つ覚悟が必要だ」と中国の銀行や国有企業に対して二次的制裁をかける必要性を述べた。
中国は2021年6月、「反外国制裁法」を施行した。外国の対中制裁に関与した個人や団体が所有する中国本土内の資産を凍結したり、入国を禁止したりできると定める。
米政府が二次的制裁の矛先を中国に向けた場合、「多国籍銀行は、制裁違反に対する米国の罰金か、制裁遵守に対する中国の罰金のどちらかの選択を余儀なくされるかもしれない」と同氏は分析する。
制裁を発動した場合、米国は「報復を覚悟する必要がある」という。中国の報復に対して、「世界の外貨準備の60%近くを米ドルが占めており、中国の人民元はその割合が低い。これは有効な反撃手段になる」とした。
米財務省はこれまで対イラン制裁に違反したとして、2012年7月に中国の崑崙銀行、17年に中国最大の通信会社ZTEに対してそれぞれ二次的制裁を科した。
(翻訳編集・李凌)
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