カナダの首都オタワで中共ウイルス(新型コロナウイルス)関連の制限措置に抗議するトラック運転手や市民に対し、警察当局は19日、機動隊や騎馬警官を投入して排除を行った。170人が逮捕され、53台の車両がレッカー車で移動された。トルドー政権が14日に発動した緊急事態法により、76の銀行口座が凍結されたことも明らかになった。抗議活動主催者は平和的な撤退を呼びかけた。
暴動鎮圧用の装備で身を固め、警棒と催涙スプレーを持った警官隊は抗議活動参加者の排除を行った。レッカー車は停車しているトラックを移動させた。
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現地の警察当局は19日だけで170人を逮捕し、53台の車両をレッカー車でけん引したと発表した。排除活動は18日にも行われ100人以上を逮捕、21台の車両を移動した。
カナダ議会下院は発動中の緊急事態法について審議を行っている。カナダの法律では、下院は政府が緊急事態法を発動してから7日以内に審議し、承認の投票を行う。政府による延長がなければ同法は30日で期限を迎えるほか、議会には発動の決定を無効にする権限がある。
カナダの保守党とケベック州に支持層を持つ政党「ブロック・ケベコワ」は緊急事態法の発動に反対しており、正当化できる状況ではないとしている。いっぽう、新民主党(NDP)は同法の発動に賛成する姿勢だ。
警官隊による排除活動を受けて、抗議活動「フリーダムコンボイ」の主催者側は平和的な撤退を呼びかけた。
活動のスポークスマンであるカナダ軍退役将校トム・マラッツォ氏は19日の記者会見で「私たちはオタワの通りから平和的に撤退することを選択した」と述べた。
オタワ警察は、トラック運転手らによる抗議活動が違法だとしている。17日には複数の主催者が逮捕された。
76の銀行口座を凍結=公安大臣
カナダのマルコ・メンディチーノ公安大臣は19日、オンラインの記者会見に出席し、緊急事態法の発動以降「少なくとも76」の銀行口座が凍結されていると述べた。凍結された口座の残高は合計で320万ドルに上る。
銀行口座の凍結は、緊急事態法によって政府に与えられた強い権限の一部であり、抗議活動の資金を制限する措置。このほか、カナダ政府はマネーロンダリング防止措置を拡大し、クラウドファンディングサービスを提供する事業者に対してマネロン対策機関(FINTRAC)への登録を求めた。
メンディチーノ氏は凍結対象口座の残高の扱いや緊急事態法が解除された際の対応について質問されたが、「操作の敏感さ」を理由に回答しなかった。
(大紀元記者Limin Zhou・Isaac Teo・Andrew Chen/翻訳編集・王文亮)
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